2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Alkaline Activated Cement as Construction Material
Project/Area Number |
16K06439
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
新 大軌 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 准教授 (70431393)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 建設材料 / 廃棄物有効利用 / 二酸化炭素排出削減 / 資源循環型社会 / 低炭素社会 / アルカリアクティベイテッドセメント / 耐久性 / 反応メカニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
低炭素社会を実現するために、建設産業からの二酸化炭素排出量を削減することが急務であり、現在汎用的に使用されている普通ポルトランドセメントを全く使用せず、二酸化炭素排出量を大きく低減できるフライアッシュや高炉水砕スラグを利用したアルカリアクティベイテッドセメントが注目されている。 本研究では、アルカリアクティベイテッドセメントの反応メカニズムおよび反応生成物を解明する。さらに、反応生成物が硬化体の中性化抵抗性、凍結融解抵抗性、耐高温抵抗性など耐久性に及ぼす影響について検討を行う。以上の成果を統合して現在の普通セメントの代替材料として使用可能な汎用性を有するアルカリアクティベイテッドセメントの材料設計を進めることを目的とする。 2018年度は、粉体材料としてフライアッシュおよび高炉水砕スラグ、アルカリ溶液として水酸化ナトリウムを使用しジオポリマー硬化体を作製し、膨張材を併用した際の化学的反応性およびイオン交換能を検討した。 ジオポリマーに膨張材を使用すると、セメントに膨張材を使用した場合と違い高pH環境下であるため、エトリンガイトが生成しにくく、カルシウムアルミネート層状化合物AFm(Na)が主に生成した。AFmは陰イオン交換能を有するため、陰イオンである重金属の酸素酸イオンや塩化物イオンを固定できることが期待できる。また、高炉スラグの反応生成物にもAFmが存在することから、陰イオン固定能が期待された。さらに、フライアッシュの反応性生成物としては陽イオン交換能を有するゼオライト様の生成物が確認され、陽イオンの固定も期待できることが明らかとなった。
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