2017 Fiscal Year Research-status Report
石炭灰を活性フィラーとするジオポリマーの最適配合設計法への品質工学的アプローチ
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16K06442
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
尾上 幸造 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (50435111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐川 康貴 九州大学, 工学研究院, 准教授 (10325508)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ジオポリマー / フライアッシュ / タグチメソッド / 動特性 / SN比 / 感度 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は,九州地区における1箇所の発電所からのフライアッシュ(平成28年度に検討したものとは異なる発電所からのフライアッシュ)を用いたジオポリマーの製造条件の最適化を実施した.具体的には,粉体とアルカリ溶液の容積比であるF/Lを入力値とし,(A)水ガラスと水酸化ナトリウム水溶液の質量比,(B)練混ぜ時間,(C)加熱養生時の保持温度,(D)加熱養生の積算温度の4項目を設計パラメータとして取り上げ,タグチメソッドの動特性パラメータ設計を適用した.出力値として,15打フロー値,曲げ強度および圧縮強度を測定した.平成28年度の成果および既往の研究で得られた知見に基づき,水酸化ナトリウム水溶液の濃度を6 M,フライアッシュに対する高炉スラグ微粉末の質量置換率を0.15に固定した.実験の組合せはL9直交表を用いて決定した.ノイズとして,フライアッシュのロット(2ロット)および実験機関(熊本大学,九州大学)を考慮し,計4通りのノイズ条件を与えて実験を実施した. その結果,水酸化ナトリウム水溶液の濃度を6 M,フライアッシュに対する高炉スラグ微粉末の質量置換率を0.15,標準砂の容積割合を0.582 m3/m3とする条件の下で,水ガラスと水酸化ナトリウム水溶液の質量比は2,練混ぜ時間は4分,加熱養生時の保持温度は75℃,積算温度は1000℃・hのときが最適となり,入出力関係が最も安定した.上記の条件の下でモルタルを作製し,入力値F/Lが0.6から0.9の範囲内における入力値と15打フロー値,曲げ強度および圧縮強度の関係を得た.これらの関係式を用いることで,上記F/Lの範囲内における任意のフロー値や強度に対応したジオポリマーを製造可能であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は震災の影響で研究の進捗がやや遅れていたが,平成29年度はほぼ計画通りに進めることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は,過去2年度間に最適化されたジオポリマーの長期的な強度,耐硫酸性,乾燥収縮に関するデータを蓄積するとともに,他の発電所からのJISフライアッシュや原粉についても本手法が適用できるかどうか検証する予定である.
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Causes of Carryover |
物品費が計画よりも少額で賄えたこと,および人件費・謝金が未執行であることによる.最終年度は,成果発表のための旅費や論文投稿料に関する出費が大きくなると予想されるため,それらに充当する予定である.
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Research Products
(5 results)