2017 Fiscal Year Research-status Report
ヒートアイランド現象の緩和に有効な表面凹凸再帰構造を持つ舗装体の開発
Project/Area Number |
16K06444
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
酒井 英樹 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 准教授 (90277830)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 再帰反射 / 日射反射率 / ヒートアイランド / 環境材料 / 都市環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,入射してきた光を反転させて入射方向に反射するという光学特性(再帰反射性)を,既存のプリズム反射方式や球状レンズ(ガラスビーズ)集光方式ではなく,表面凹凸再帰構造という全く新しい方式で実現する新素材を開発する。そして,その素材を道路舗装体として利用し,日中,道路面に降り注ぐ太陽光を,周辺に照り返すことなく,太陽の方向に反射させることで,夏場,道路面が高温化することを防ぎ,快適な道路周辺環境を構築するとともに,ヒートアイランド現象の緩和を通じて,都市型災害の抑制,及び,省エネルギー社会の実現を目指す。 研究2年目となる本年度は,光学シミュレーション計算による最適な表面凹凸構造を探索するとともに,市販の道路舗装材と舗装塗料を組み合わせた表面凹凸構造を有する試験体を試作し,その反射特性を測定した。そして,既存のプリズム反射方式や球状レンズ集光方式の再帰反射体の反射特性と比較した。その結果,再帰反射率は低いものの,構造の崩れに強く堅牢性に優れているなどの表面凹凸方式の再帰反射材の特徴を明らかにした。これらの特徴は,通行時の視認性を阻害することのないように,過度に明度を高める必要がなく,また,車両等の通行により常に荷重がかかり変形しやすい環境で使われるという道路舗装体に適していることから,今後実用化に向けて研究を進めていきたい。さらに,実際の屋外道路面の再帰反射率測定に向けた準備として,試料面の拡散反射率及び鏡面反射率を非接触で測定する装置を試作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
とくに技術的な困難もなく,計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度となる次年度は,確立した光学シミュレーション技術を用いて,引き続き再帰反射に最適な表面凹凸構造の探索を行うとともに,屋外道路面の再帰反射率測定法を確立していく。
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