2016 Fiscal Year Research-status Report
連行空気泡の微細化によるフレッシュコンクリートの自己充填性向上
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16K06445
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
大内 雅博 高知工科大学, システム工学群, 教授 (80301125)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自己充填コンクリート / 空気泡 / 微細空気泡 / 消泡剤 / 気泡浮上 / 空気量経時変化 / フライアッシュ / ボールベアリング効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
連行空気泡の一層の微細化法を、練り混ぜ手順の調整または化学混和剤の添加による、二種類について構築し、その理由を明らかにした。 練り混ぜ手順の調整によるものは、練り混ぜ中のモルタル相の粘性を低くすることにより径の大きな気泡を連行させず、微細な気泡を連行することが分かった。また、練り混ぜ時間の増加にともない粗粒巻き込み空気の微細化の進行、そしてそれが飽和すると再び粗大空気泡が連行され始めることが分かった。 一方、化学混和剤としては、消泡剤を添加することにより大きな気泡の除去、ひいては微細気泡を残す方法を構築した。一度空気連行した後で消泡剤を添加して練り混ぜることが効果的であることが分かった。 実施工においてフレッシュコンクリートの自己充填性を維持するために課題となっている空気量の経時変化(減少)について、そのメカニズムを解明し解決策を構築した。コンクリート中の空気量の減少は、境界となる径以上の空気泡の浮上により生じていた。このことを、フレッシュコンクリート中の気泡径測定装置(エアボイドアナライザー)により、フレッシュ時の気泡径分布測定結果と経時による空気減少量との関係から明らかにした。今回、境界となる径の弦長は1㎜であった。また、境界となる径以下であっても、時間の経過に伴う気泡どうしの合体により径の大きさが境界値以上となり浮上、ひいては空量減少に結びつくと仮定すると、現象を説明可能であることが分かった。 連行空気泡による固体粒子間摩擦低減、いわゆるボールベアリング効果については、今回、それが生じる径の大きさは0.45mm以下であった。弦長がこれよりも大きい空気泡の量が増えると摩擦低減効果が低減した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の当初計画「連行空気泡の微細化」は、材料・配合・練り混ぜの3要素の影響をおおむね解明できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度以降、当初計的の「微細空気泡による自己充填性付与のための空気量低減」に取り組むにあたり、当初手段の気泡微細化に加えて気泡の質向上にも取り組み、一層の所要空気量低減を図る。気泡の質として気泡の膜に着目し、高分子系化学混和剤の活用を図る。
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Research Products
(5 results)