2017 Fiscal Year Research-status Report
下水管路の可視化によるストックマネジメントー住民と効率化のためにー
Project/Area Number |
16K06450
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 栄治 愛知工業大学, 情報科学部, 教授 (50298460)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 下水管路 / 3次元点群 / 3次元CAD / 維持管理 / 土木情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の成果(地上の3次元点群から3次元モデルを作り,下水管路の3次元CADと合わせることにより,地上からでも下水管路を透視できるデータを作成)に対して,インターネットでこのデータにアクセスできるように,データベースサーバシステムを構築した.具体的には,①3次元点群データはデータ容量が極めて大きくインターネットからのアクセスには適していないため,3次元点群データ(下水管路のCADを含む)を地上から地下に向けて視点を変えて表示した状況をビデオで撮影してビデオデータを作成し(マンホールを単位でビデオデータを作成),②これらビデオデータをデータベースに登録し,③下水管路の検査データ(管路のひび割れ等を記述したテキストデータ,管路内をロボットで撮影したビデオデータ)も併せて登録した.これらのデータをデータベースに登録する理由は,①下水管路に維持管理において,図面の助けを必要とせず,地上の建物や自然地形を手がかりとして地中に埋設されている下水管路の位置を把握するとともに,下水管路の状況をデータベースから検索できること,②一般住民も同様にして,下水管路施設が地中のどのあたりに埋設されているかをインターネットを通して容易にしることができるようにすることが本研究の目的であるからである.当初の研究計画では,インターネットを通して3次元点群データにアクセスできる無料配布が可能なアプリケーションを開発する予定であったが,企業に開発を委託した場合の費用が莫大になることが判明したため,やむを得ず研究計画を変更し研究がうまくいかない場合としての計画にしたがい,直接3次元点群データにアクセスするのではなく,3次元点群データを様々な視点から撮影したビデオにすることにより,この問題を乗り切ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究の実績の概要」に記したように,下水管路の埋設状況や管路内の健康状態が地上にいながらインターネットを通して確認できるようにすることが研究の目的であるが,その目的を達するために,3次元点群データ(下水管路の3次元CADモデルも含む)をインターネットからアクセスできるようデータベースを構築できたため,当初の計画どおり,おおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度(最終年度)においては,スマートホンから上述したデータベースにアクセスできるようにスマートホン用のアプリとサーバのアプリケーションを作成する.スマートホン用のアプリは維持管理の専門家向けのものと,一般住民向けのものを作成する.どちらのアプリケーションにおいても,容易に目的とする下水管路の情報を閲覧できるよう,現在地の位置データをスマートフォンで取得し,閲覧すべき情報が自動的に表示されるように工夫する.さらに,専門家向けに,新規に下水管路のデータを追加したり編集するためのデータベースサーバ用のアプリケーションも開発する.
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Causes of Carryover |
無料配布可能な3次元点群データをインターネット経由で閲覧することができるアプリケーションの開発を企業に依頼する予定であったが,予算を大幅に超える費用がかかることが判明して研究計画を変更して,そのようなアプリケーションを使わなくてもインターネット経由で3次元点群データをビデオで確認できる方法を選択したために,残金が発生した.来年度は,この残金をデータベースサーバの整備に使用する計画である.
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