2016 Fiscal Year Research-status Report
「ポーラスコンクリート」の排水性法面被覆壁への応用に関する基礎研究
Project/Area Number |
16K06453
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
三岩 敬孝 和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (40274253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 和幸 和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (30587853)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ポーラスコンクリート / 透水係数 / 法面被覆 / 目詰まり |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,張コンクリート等の不透水材料で被覆された法面の排水に対し,目詰まりで機能不全に陥りやすい従来の排水パイプに替わり,排水機能を有するポーラスコンクリートを被覆そのものに活用することを目的としている. 平成28年度はポーラスコンクリート被覆の目詰まり特性の評価について検討することを目的とし,内径100mm,高さ600mmの試料を装入することが出来る透水性試験装置を使用し,空隙率が15,20および25%の連続空隙を有するポーラスコンクリート供試体(φ100mm,H=100mm)の透水係数,土試料(最大寸法5mmの細骨材)の透水係数およびポーラスコンクリートと土試料を同時に使用した時の透水係数について実験的に検討した.さらに,試験後のポーラスコンクリート供試体のみの透水係数を再測定することにより目詰まりの評価を行った. これらの実験の結果,ポーラスコンクリート供試体のみでは土試料に比べ高い透水性能を示し,空隙率5%の違いにより透水性能は大きく異なることが明らかとなった.このため,土試料と同時に使用した場合,透水性能は土試料の透水性能に依存し,ポーラスコンクリートの透水性能は影響しない.また,土試料からの微粒子が透水によりポーラスコンクリートの空隙内に移動し,試験後のポーラスコンクリートの透水係数は若干低下することが明らかとなり,この時,土粒子から移動した微粒子の粒径は顕微鏡観測から0.05mm程度であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度実施予定であるポーラスコンクリート被覆の目詰まり特性の検討,ポーラスコンクリートの製作・管理,透水試験,顕微鏡によるポーラスコンクリートの微視構造の観察および目詰まり特性の評価について一連の実験を行うことが出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に実施した検討内容についてさらに供試体の種類を増やしデータの測定をすることで実験結果の信頼性を高めることに加え,研究分担者と密に連携し,平成29年度はポーラスコンクリート被覆を適用した模型実験を実施し,目詰まり抑止メカニズムについて検証する予定である.
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Causes of Carryover |
実体顕微鏡および透水試験機の製作に要する予算が全体予算を圧迫するであろうことを鑑みて,ポーラスコンクリート供試体の製作にかかる材料費や土試料の購入費などを削減したことにより支出額に差額が発生してしまった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は大型土槽を用いてポーラスコンクリート被覆を適用した場合の模型実験を行う予定であり,土試料が大量に必要となる.さらにポーラスコンクリート供試体においても透水試験用供試体と形状や寸法が異なることから模型に合わせて,再度作製する必要があり,そのための材料費が必要となる.
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