2018 Fiscal Year Research-status Report
「ポーラスコンクリート」の排水性法面被覆壁への応用に関する基礎研究
Project/Area Number |
16K06453
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
三岩 敬孝 和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (40274253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 和幸 和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (30587853)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ポーラスコンクリート / 透水係数 / 法面被覆 / 目詰まり |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,張コンクリート等の不透水材料で被覆された法面の排水に対し,目詰まりで機能不全に陥りやすい従来の排水パイプに替わり,排水機能を有するポーラスコンクリートを被覆そのものに活用することを目的としている. 平成30年度は,大型土槽を用いてポーラスコンクリートによる全面被覆を施工し,連続通水した場合,盛土内の水位と細粒分の移動について検討した結果,流速が増加するのに伴い細粒分含有率が減少する傾向が見られた.特に,盛土底部の細粒分含有率が減少した.この原因として細粒分が盛土内で堆積し目詰まりが起こったことにより,盛土内の水の流れの向きが変わったこと,湿潤面の上下変化などが考えられた.また,ポーラスコンクリート被覆表面に植生した供試体の植生前の透水性と植物の成長に伴う透水性の変化および植物の生育状況について予備実験を行った結果,空隙率の違いが発芽に及ぼす影響は見られなかったものの,植物の成長に伴い根がポーラスコンクリートの空隙内に伸び,透水性は低下する.しかし,地山からの排水機能は十分確保していることが確認された. また,ポーラスコンクリートの空隙率が大きいほど,植生前の透水係数は大きくなるが植物の根がより深く成長し,透水性能の低下が大きくなることなどが確認された. 平成31年度はポーラスコンクリート全面被覆盛土模型によって,植生による目詰まり抑制メカニズムの検証実験を実施する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度は大型土槽を用いて全面被覆を施工し,連続通水した場合,盛土内の水位と細粒分の移動について検討することができたが,被覆コンクリートであるポーラスコンクリートの目詰まりについて検証するに至らなかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度は,研究分担者とともに遅れているポーラスコンクリート全面被覆による盛土模型による目詰まり抑制メカニズムの検証実験を遂行する.また,令和元年度当初実施予定の植生によるポーラスコンクリート被覆の排水性の低下について実験を実施する予定である.さらに,実環境下での検証実験を計画している.
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Causes of Carryover |
平成30年度は遅れていた大型土槽による被覆コンクリートの模型実験および植生によるポーラスコンクリートの空隙率および透水性能への影響について検討した.この際,大型土槽が当初の想定より安価に製作することができたこと,植生後のポーラスコンクリートの試験が,既存の試験装置およびこれまで購入した試験装置で実施可能であったことによる. 令和元年度は実環境下での検証実験を予定していることから,型枠の作製および使用材料の購入に充てる予定である.
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