2016 Fiscal Year Research-status Report
打音検査技術向上のための打音レコーダの製作と欠陥情報データベースの構築
Project/Area Number |
16K06454
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
岩本 達也 有明工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (20390528)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 維持管理 / 打音検査 / 検査記録装置 / 打撃力 / 接触時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会インフラの老朽化に対してメンテナンスサイクルの構築が急速に進められており,目視や打音検査による点検は,補修箇所の特定や事故の未然防止において重要な位置づけである.本研究の目的は、トンネルや橋梁などの土木構造物の点検に用いられている打音検査の検査技術の向上のための打音記録装置(打音レコーダ)の製作と、国際競争力の強化を目的とした欠陥情報データベースの構築である.打音レコーダは、打音検査時の検査記録(位置情報や音響データ)を効率的に収集する検査記録装置であり,収集された検査記録は検査者の育成や検査結果の検証に用いて、検査技術を向上させる.また,欠陥情報データベースとは、打音検査の検査記録と欠陥情報を関連付けたものであり,国内向けに公開することで,点検システムの根幹技術となり得る自動欠陥判別アルゴリズムの開発を促進させ,海外展開に向けた競争力強化の狙いがある. 平成28年度は、打音レコーダの開発と模擬試験片の試作を行った。打音レコーダは音響データ収集のためのマイクロフォン,打音検査のハンマの打撃強度を測定するための加速度センサ,検査箇所を記録するカメラとこれらを記録し制御するためのマイコンと駆動用バッテリーで構成される.打音レコーダの開発においては,測定システムの構築のほか、加速度センサによって打撃力を推定するために,インパルスハンマ、加速度センサおよび荷重センサを用いて,打撃力と加速度の関係やハンマの接触時間の推定、加速度センサの最適な設置位置の検討を行った。また,模擬試験片の試作も行なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の研究計画は、打音レコーダの開発と模擬試験片の製作であった。打音レコーダの開発では、マイクロフォン,加速度センサ,カメラおよび制御用PCを用いて測定システムを構築した.今後は小型化を行っていく予定である.模擬試験片の製作においては,試験片の設計と試作を行った.試験片の製作については平成29年度の早い段階で実施する予定である. 以上の理由より、おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、(1)検査記録の収集と処理プログラムの作成と(2)欠陥情報データベースの設計である。 (1)平成28年度に開発した打音レコーダを使用して模擬試験片に対する検査記録の収集を行い,収集された検査記録を用いて欠陥情報データベースを試作する.検査記録の収集には,多種多様な欠陥に対して実施したいので,他大学等が保有している試験片の利用を計画している. (2)では、欠陥情報の関連付けやユーザーインターフェースなど,データベースの設計を行う.データベースの設計では,本校の情報系技術職員に協力を依頼する予定である.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,実験装置材料および模擬試験片製作費の支出が予定していたよりも少なかったためである.実験装置においては,測定システムの構築のみで小型化まで至らなかった.模擬試験片製作においては,試験片の設計と試作までは終えたが,実験で使用できる試験片の製作までは進んでいない.また,成果発表のために予定していた旅費の支出がなかったことも理由の一つである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については,装置の小型化や模擬試験片の製作に使用する予定である.また,平成29年度の交付予定の助成額については,交付申請書の計画通りに遂行する.
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