2016 Fiscal Year Research-status Report
位相空間での軌跡形状変化に着目した構造物の特性変化・異常検知手法の構築
Project/Area Number |
16K06460
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 栄一 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (40311659)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 構造モニタリング / 特性分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,構造物のセンシングにより得られる動的な時系列データから,構造物の動的特性のみならず、データに含まれる長期的な構造物の特性変化を捉える手法を構築することを目的として、時系列データに含まれる長期的変化や動的成分などをモードとして分解して評価するため,位相空間上での軌跡形状変化に着目した,新しいデータ分析手法を提案している.本手法は,出力データのみにより分析できる利点があり,画期的なデータ分析方法として期待できる.また,研究代表者がこれまで開発してきた非線形発現に着目した構造物の異常検知手法との組み合わせにより,複数の非線形要因をそれぞれ異なるモードとして捉えることにより,地震時データなどの動的なデータをより高度に分析できる可能性があり,その点についても検討を行うこととしている。 平成28年度は、まず、本研究で提案する位相空間で軌跡形状変化に着目したデータ分析手法の分析を可能とし、その有効性の検討,改良等を行うことができるよう考慮したプログラミングを実施し、解析コードを開発した。さらに、解析するための対象データを取得するため、長期的な特性変化を想定した鋼部材へのき裂導入実験,および,鋼構造物の地震時損傷シミュレーションの実施を行った。 平成29年以降、取得した実験データおよびシミュレーションデータを用いて、構造物の特性変化の分析への提案手法の適用性について検討するとともに、実大実験データを用いた検討も実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初平成28年度実施予定であった、解析コードのプログラミングを行い、分析データ取得のための鋼部材への亀裂導入実験、構造物の地震シミュレーションを行い、すでにそれらの分析に入っていることから、上記区分とした。また、さらなる適用性の確認のため、実構造物での長期モニタリングデータへの適用も進めており、その点も考慮した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年以降、引き続き、取得した実験データおよびシミュレーションデータを用いて、構造物の特性変化の分析への提案手法の適用性について検討するとともに、実大実験データを用いた検討も実施していく予定である。また、さらなる適用性の確認のため、実構造物での長期モニタリングデータへの適用も進めており、非線形指標と組み合わせたデータ分析方法、モニタリングシステムへの実装を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
主に研究成果の発表および調査のための旅費を次年度以降の使用予定としたことから差異が生じましたが、研究遂行においては、問題なく進められております。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果の発表、論文投稿などに使用する予定としております。
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