2017 Fiscal Year Research-status Report
レベル2落石作用を考慮した落石防護工の強靭で安心な性能設計法の提案
Project/Area Number |
16K06462
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
桝谷 浩 金沢大学, 環境デザイン学系, 教授 (20157217)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深田 宰史 金沢大学, 環境デザイン学系, 教授 (10313686)
徐 晨 金沢大学, 環境デザイン学系, 助教 (40707593) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 衝撃 / 落石 / 性能設計 / 防護工 / 補修 / 補強 / 荷重条件 |
Outline of Annual Research Achievements |
種々の衝突条件に対する構造物の曲げ変形量に関し十分な推定結果を与える方法を得るに至っていないことも問題として挙げられおり,敷砂緩衝材に重錘落下実験を行い,その緩衝特性を明らかとし,そのあと同様の緩衝材を設置したH鋼単純ばりへの重錘落下実験を行った.構造部材の最大変位について設計に応用可能で簡便な照査方法を示すことを目的として,これらの実験結果を用いていくつかの曲げ変形推定方法について検討した.構造物上ではなく剛基礎上の緩衝材の静的載荷試験と衝撃載荷試験結果より,緩衝材の緩衝能力と作用荷重の基本的モデルを構築した.砂緩衝材の高い緩衝能力とその限界について検討を行った. また,性能設計を行う上で重要である落石の設計条件を正確に予想するための,数値解析による斜面における落石運動シミュレーション手法を発展させた.その結果斜面の木立などの植生を考慮できるようにし,落石予測の一般化を可能にした. 経年劣化や設計予想を超える衝撃荷重を受けた防護構造物の維持管理,補修・補強をいかに合理的かつ効率的に行うかは重要な問題である.そこで,炭素繊維ストランド(CFS)で強化された鉄筋コンクリートばりの一連の衝撃試験を実施して,そのような鉄筋コンクリートばりの実際の応答に対する効果を確認した。 実験手順を詳細に説明するだけでなく,亀裂パターン,反力,最大変位などの動的挙動の主な特徴を分析し,合理的な比較を行っている. 数値解析では,はりの構成モデルと接触条件の信頼できる仮定が適切に採用され,シミュレーションの結果は実験の結果をよく再現できることを示した.CFSで強化された鉄筋コンクリートばりは,静的および衝撃荷重下での曲げ能力を改善できることを確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
防護構造物は安全側の設計が行われエネルギーでの安全率は30倍程度あると言われてきたため,実構造では設計荷重相当荷重を受けても塑性変形は生じない.性能設計においては真の性能が求められるため,人命を救い防護機能を果たすような建築限界を侵さない範囲での防護工の変形は許容されるべきと考えられる.比較的大きな変位構造部材の最大変位について設計に応用可能で簡便な照査方法を示すことを目的として,いくつかの曲げ変形推定方法について緩衝材の緩衝能力と作用荷重の基本的モデルを具体的に提示しその推定の精度も明確にできた. また,防護構造物の維持管理,補修・補強を目的に,炭素繊維ストランド(CFS)で補強した用いた鉄筋コンクリートはりについて静的荷重および衝撃荷重を対象に具体的に実験を行い,その優れた効果を検証することができた.また,理論解析およびFEMによる解析による方法によっても実験結果の比較により検証と妥当性を確認できた.
|
Strategy for Future Research Activity |
実際の防護工に於ける設計に向け,緩衝材を有する防護工のレベル2落石に対する合理的で信頼できる性能設計の基づく設計方法の具体的な検討を行う.剛な防護工設計方法において,大きな塑性変形レベルまで考慮する極めて革新的なものである.実際の剛な防護構造物に対して,このような要求性能に応じた合理的な設計方法を示す.また,落石防護細柵などの柔な構造に対して実験と解析を行い性能設計の実際についての検証,妥当性の確認例も示す予定である.
|
Research Products
(6 results)