2018 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental investigation on mechanical behavior of rubber materials and its modeling
Project/Area Number |
16K06465
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
吉田 純司 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (90345695)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ゴム材料 / 積層ゴム支承 / 多軸材料試験 / 温度依存性 / 構成モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は,まず,昨年度に製作した恒温槽を用いて,免震用のゴム材料を対象として,異なる温度下でのゴムの材料試験(せん断試験)を試みた.現段階では,0~40℃の範囲では,実験可能であるが,この範囲を超えた温度だと,試験冶具を通じて熱が逃げる速度が速く一定を保つことが困難であることがわかった.今後,冶具に熱を伝えにくくするために恒温槽の改良が必要であると考えている. 次に,2016年熊本地震での橋梁用積層ゴム支承の破損をうけ,支承の破損原因究明のため,支承用ゴム材料の多軸材料試験を実施し,支承のモデル化を行った.具体的には,材料試験では,G10の天然ゴムを対象として,ゴムの多軸応力進展方向を把握するための単軸引張り試験および二軸引張り試験,エネルギー吸収性能を把握するための水平1方向動的せん断試験,水平2方向動的せん断試験,体積変形性能を把握するための拘束ゴム層の引張り・圧縮試験を実施した.これらの材料試験データから,研究代表者がこれまでの研究で提案した超弾性-粘弾塑性ダメージモデルのパラメータ同定を行い,それを応用して積層ゴム支承のモデル化を行った.さらに,モデルの検証のため,小型の積層ゴム支承を製作し,動的載荷実験からモデルの妥当性を検討した.実験では,3軸載荷実験(鉛直荷重+水平2方向の変形)ならびにハイブリッド水平2方向地震応答実験を行い,実験結果の再現を,モデルによる数値解析で試みた.その結果,構築したモデルにより比較的精度良く実験結果を再現できることがわかった. 以上,本研究では,免震用のゴム材料を対象として異なる温度下での材料試験を実施できる動的多軸試験装置を開発した.装置に改良すべき点はあるが概ね完成できたといえる.また,実験結果を用いてゴム材料および積層ゴム支承のモデル化を行い,精度を検証した.
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