2017 Fiscal Year Research-status Report
ウォータジェットを用いた構造物の遠隔打音試験法の開発
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16K06471
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森 和也 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (50190989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳臣 佐衣子 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 技術補佐員 (40646121)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 非破壊検査 / 打音検査 / 構造物 / 壁面 / ウォータジェット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の「ウォータジェットを用いた構造物の遠隔打音試験法の開発」における,平成29年度の研究開発の主要な目標は,「走行型試験装置の開発」と「変動圧力ガンの開発」であった. 走行型試験装置は,最初は手押しの荷台の上に置く小型の水撃音響法試験装置を開発した.この装置を用いてタイルの浮きの検出試験を行った.この試験で,走行速度1m/sにおいて,一辺の長さが15cm,20cm,30cmのタイルのはく離を検出することができた.この成果は,コンクリート工学年次大会,6th JSME/ASME 2017 International Conference on Materials and Processing,日本機械学会全国大会等で発表した. この装置では水タンクの容量が小さいことによる試験時間が短いという問題や,走行速度が安定しないという問題があった.そこで,車両搭載型の水撃音響法試験装置を開発した.試験対象をコンクリート壁として浮きはく離の検出に成功した.この成果は,平成30年度に,第6回コンクリート構造物の非破壊検査シンポジウム,The Sixth Japan-US NDT Symposium等で発表予定である. 変動圧力ガンの開発の目的は,高圧洗浄機を用いた水撃音響試験であった.高圧洗浄機のノズルに圧電素子によって高速に駆動するバルブを搭載し,洗浄ウォータジェットの運動量を変動させることであった.しかながら,ノズルから放出された直後の洗浄ウォータジェットの運動量は変動可能であったものの,洗浄ウォータジェットが壁面を叩くときは,洗浄ウォータジェットの個々の粒子速度のばらつきから,運動量の変動の効果が打ち消されて,壁面を加振する効果はなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主要課題であった走行型試験装置の開発および走行しながらの水撃音響法試験が成功したため. 車両搭載型試験装置の具体的試験性能は,一本のウォータジェットによる試験では,移動速度1m/sでコンクリート壁内の人工欠陥の検出が可能であった(実際には2m/sでも可能).ウォータジェットの走査線間隔を100mmとすると,毎秒0.1平米の試験が可能である.車両には同時に数本のウォータガンを用いて試験することが可能であるので,例えば,5本のウォータガンを用いると,毎秒0.5平米の検査が可能になる.これは,一時間で1800平米の試験が可能ということであり,1日(8時間)では1万平米を超える試験が可能となる.
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Strategy for Future Research Activity |
まずは,車両搭載型水撃音響法試験装置の性能限界を調査する.調査項目は,移動速度限界,試験距離限界,検出可能欠陥の大きさの限界,などである. 前年度で進展が見られなかった「変動圧力ガンの開発」は,新たな開発手法に取り組む.変動圧力ガンの開発のもう一つの目標は,ウォータジェットによる加振力の周波数制御であった.前年度の失敗の原因は,微細化したウォータジェットであった.そこで,大型の水滴のまま水滴の間隔を制御する方法に取り組む.
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