2017 Fiscal Year Research-status Report
バルジング現象で被害を受けた貯水槽の原因究明とその耐震設計に関する研究
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16K06473
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
平野 廣和 中央大学, 総合政策学部, 教授 (80256023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 尚次 中央大学, 理工学部, 教授 (30162457)
鈴木 森晶 愛知工業大学, 工学部, 教授 (90273276)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | バルジング / スロッシング / 貯水槽 / やや長周期地震動 / 耐震設計 / 熊本地震 |
Outline of Annual Research Achievements |
450×450×450mmのアクリル製矩形モデルを用いて、バルジング現象について振動実験ならびに流体と構造の連成解析から検証を行った。その結果、壁面変位より8.0Hz~11.0Hzの比較的広い周波数範囲にバルジングの固有振動数があることが掴めた。 これよりスロッシングは、固有振動数の明らかなピーク値が存在し、かつスロッシングが発生すると減衰が小さいことから収束までに時間がかかることが我々の既往の研究からわかっている。また、タンクの上部に大きな力が加わるため、上部破損の原因であると考えられている。これに対し壁面変位の結果よりバルジングは、発生する周波数域がある幅で存在することである。さらに壁面の変位は中心部が最大を示すことから、壁面の中心付近で被害が発生することが考えられる。ところで,熊本地震等でバルジング被害があった貯水槽は、パネル式タンクでありパネルの最下段部分のパネルで損傷している。このことからも最下段のパネルに負荷が掛かっていることになる。 次に実機貯水槽3×3×3mのFRP水槽を大型振動台に設置し、壁面のハンマリングにより得られた壁面の卓越振動数とバルジング発生振動数域の関係を求め、これが合致することを掴んだ。 以上、本年度は、小型から実機貯水槽に至る振動実験と流体と構造の連成解析を行い、バルジングの発生のメカニズムを把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小型から実機貯水槽に至る振動実験と流体と構造の連成解析が予定通りに進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
貯水槽の耐震性向上の一つの提案として、免震構造の採用などが考えられる。そのため、既存の貯水槽のバルジングに対しての耐震性向上に関する検証を行うことが必要である。最終年度は、耐震性向上のために既存の貯水槽に装着可能で、スロッシングで効果が確認されている著者らが提案している浮体式制振装置などのバルジング発生時の制振効果の確認を行うことである。
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Causes of Carryover |
愛知工業大学耐震実験センター内の大型振動台を利用しての実験は、2017年12月~2018年1月を予定していた。しかし、振動台が屋外設置であるため、この時期に数十年来の大寒波であったため屋外での実験が十分にできないと判断し、実施期間を若干短縮して暖かくなってからの3月に実施したため。
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