2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K06478
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
大山 理 大阪工業大学, 工学部, 教授 (70411410)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 橋梁火災 / 鋼 / 力学特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は,平成29年度,橋梁の火災を想定した加熱試験が自然冷却後の常温時における各種鋼材(SM400,SM490,SM490YならびにSM570材)の材料特性に及ぼす影響を解明するため,種々の試験(引張試験,金属の組織観察,ビッカース硬さ試験ならびにシャルピー衝撃試験)を行った.それらより,得られた主な知見を以下に示す. 1) 先行研究以上の温度における引張試験を実施した結果,本試験結果は先行研究の延長線上に位置することが確認でき,近年製造された鋼と1968年に報告された鋼における低下傾向に差異はみられない. 2) 鋼の降伏強度および引張強度について,900℃の熱履歴が鋼の強度を大幅に低下させる一種の要因となる.これは,A3変態点近傍の熱履歴を与えることにより,鋼の組織状態が変化したと推察される.また,1100℃の熱履歴を与えると,鋼の組織は粗大化し,鋼の強度は900℃の場合と同等,あるいは,常温時の半分程度まで低下するとともに,延性が向上するため,加熱温度の上昇に伴い,破断伸びが大きくなっていた. 3)温度変化による鋼の力学特性の低下傾向について,試験結果に基づき定式化を行った結果,精度良い推定式を提案することができた. また,平成30年度に実施する桁の加熱試験に向けて,桁の試設計,実験計画書の作成を行うとともに,製作(コンクリート床版内の熱電対設置を含む)を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の研究計画として,加熱温度と時間をパラメーターとした【要素試験】を実施し,加熱冷却後の常温時強度に関するデータ整理を行う.一方,【桁試験】供試体の設計や実験計画書を作成するとともに,供試体を製作することを挙げていた. 【要素試験】は,予定通り,試験を実施し,データ整理を行うとともに,土木学会関西支部年次学術講演会や鋼構造シンポジウムに論文を投稿し,その成果を発表した. 一方,【桁試験】は,実験計画書を作成し,予定通り,試験体の製作を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の前半は,昨年度製作した桁の載荷および加熱試験を実施することで、加熱前と後の剛性低下などを計測値と解析値との比較・検討を行う. 一方,後半は,一般橋梁や高架橋が火災による熱影響を受けた後の通行可否を瞬時に判断するための性能評価法を米国橋梁設計規準のLoad Ratingを参考に構築し,最終報告書をまとめる予定である.
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Research Products
(3 results)