2017 Fiscal Year Research-status Report
ICTを活用した社会資本の耐候耐久性向上に関する研究
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16K06482
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| Research Institution | Matsue National College of Technology |
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Principal Investigator |
大屋 誠 松江工業高等専門学校, 環境・建設工学科, 教授 (60280442)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 飛来塩分量 / WRF / 数値シミュレーション / 腐食マップ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、広域的な海塩粒子の観測と気象の再現解析技術を組み合わせて、日本列島の地形、季節変動や気候変動を考慮した腐食マップを作成することである。本研究においては、広域的な腐食マップを作成するために数値シミュレーションによる気象の再現解析が必要であり、その精度向上が研究の重要なポイントとなる。
平成２９年度に山陰地域の広域な飛来塩分調査を開始した。冬季の飛来塩分調査より、離岸距離が約５０ｋｍ離れている島根県と広島県の県境の橋梁における飛来塩分調査で海塩由来の塩分が飛来していることを確認した。また、気象の再現解析の精度向上のために領域気候モデルＷＲＦの入力データ（地形データ、土地利用データ、大気の客観データ）のさらなる変更を試み、客観データＧＰＶ５ｋｍの利用により、風速分布、気温、湿度の気象庁の観測結果と解析結果は比較的よく一致することが確認でき、解析精度の向上を確認した。
平成３０年度は、ＷＲＦによる気象の再現精度が向上したことにより、ＷＲＦ／Ｃｈｅｍによる日本海から発生する海塩粒子の濃度分布解析の精度検証を試みる。また、再現解析の結果と観測した飛来塩分調査結果や気象庁の気象データの観測結果を比較することにより、解析精度の検証を行う。
本研究では、ＷＲＦ／Ｃｈｅｍを用いて海塩粒子の濃度分布を解析的に予測する予定であるが、併せて計算される風向・風速のデータから海塩粒子の濃度分布の特性も本研究成果を用いて検討を試みる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
広域な腐食マップの作成に向け、気温、湿度（濡れ時間）、風速、飛来塩分量の空間分布データを次世代のメソスケール気象予測数値モデル（ＷＲＦ）による気象の再現解析により得ることを目的としている。平成２８年度は、精度向上に向け、地形データと土地利用データをＵＳＧＳから国土地理院の標高データ、土地利用データに変更することを試み、気象の客観データをＮＣＥＰの客観データＦＮＬから気象庁のＭＡＮＡＬに変更することを試みた。国土地理院の標高データ、気象庁の客観データＭＡＮＡＬにより、風速分布、気温、湿度の空間分布はアメダスの観測データとの比較で改善は見られたが、さらなる精度向上に向け、平成２９年度は、ＧＰＶ５㎞メッシュの客観データを用いて解析を行った。入力データの変更による解析は実行可能であることを確認し、入力データの変更による解析結果の変化について確認した。解析結果の検証の結果、風速分布、気温、湿度等に飛躍的な改善を確認した。
次に、飛来塩分量の現地観測については、平成２９年度中に観測を開始することができ、月に１回ガーゼを回収し、飛来塩分量の分析を進めている。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成２９年度の研究により、ＷＲＦの入力データの変更によって風速分布や気温、湿度についてある程度の精度で気象庁の観測結果を再現可能となった。本年度は、観測している飛来塩分量のデータを用いて、ＷＲＦ／Ｃｈｅｍによる飛来塩分量の濃度分布解析結果の検証を試みている。現在、日本海の塩分量の発生に関し、発生関数と飛来塩分量の濃度分布の関係を確認している。飛来塩分捕集器によるデータ収集を継続し、季節変動に対する解析精度の向上が可能か検討を試みる。
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| Causes of Carryover |
飛来塩分量の計測の開始がずれ込んだため、必要な分析消耗品の購入が少なくなり、次年度に繰り越すこととなった。分析消耗品の購入を計画的に実施する予定である。
また、研究成果のまとめや成果の発表を積極的に実施する予定である。
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