2017 Fiscal Year Research-status Report
ふとんかご工の排水効果を考慮した盛土斜面の合理的設計法の構築
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16K06495
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| Research Institution | Nihon University |
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Principal Investigator |
仙頭 紀明 日本大学, 工学部, 准教授 (40333835)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清原 雄康 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20369911)
海野 寿康 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 准教授 (50570412)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | ふとんかご / 盛土 / 排水 / 屋外実験 / 補強土壁 / 振動台実験 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
盛土の豪雨・地震被害軽減対策として，盛土水位を低下させ，斜面の補強効果も期待できる「ふとんかご工」の合理的な設計方法確立を目指した一連の研究である．具体的には，ふとんかご工で対策した盛土地盤の降雨履歴による含水状態と地下水変動を屋外実験，室内実験，数値解析により明らかにすることが目的である．加えてふとんかごを壁面材として補強土壁に利用する応用例についても研究対象としている．
29年度は，屋外実験および模型振動台実験を実施した．屋外実験は，側面及び底面の境界条件を明確にした屋外土槽に作製した対策盛土と無対策盛土について約1年間にわたる計測を行い，土中の体積含水率の推移とその空間分布域について分析し，ふとんかごの対策効果について考察を行った．その結果，対策盛土の法尻部分では水分の変化量が無対策盛土に比べて小さくなっていることがわかった．しかし盛土全体で見ると体積含水率の変化量は対策と無対策で比べても差はほとんど見られなかったことから，降雨による地表面からの浸透のみの条件では，対策工の排水効果が限定的であることがわかった．また，対策工付近の地盤の水分量の推移を分析すると，かご工からの直接的な浸透によるかご直下地盤の水分量の増加および吸出し防止のために敷設した不織布への保水現象が確認された．今後，詳細検討解析においてこれらの影響をモデル化する必要性が示唆された．
さらに帯状金網を一体化したふとんかごを壁面材として利用し，さらにジオシンセティックスで補強した補強土壁構造について，模型振動実験を実施し，レベル1およびレベル2地震動に対する安定性と変形性能を評価した．この構造はレベル2地震を複数回受けても崩壊に至ることはなかった．ただし，ふとんかごは元来，屈撓性が高いため，最下段に配置したふとんかごの圧縮変形や栗石の揺すりこみ沈下が壁面変位を増加させる要因であることがわかった．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
実績報告で示した通り，屋外実験および振動台実験は予定通り進捗している．屋外実験は，豊水期の初期においてのり面がガリ浸食したが，速やかに補修をするとともに地表面にネットを敷設して侵食対策を実施した．これにより，信頼性の高い計測結果を得ることができた．
一方，ふとんかご工補強土壁は前年度に実施した模型載荷室内実験に加えて，先述したように29年度は振動性状を把握するための模型振動実験まで実施し，ふとんかごを補強土壁として利用する場合の技術的課題が抽出できた．このような力学的な検討は当初計画では29，30年度に着手・実施することになっており，計画を先取りして研究を実施している．
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| Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に得られた屋外実験の再現解析を複数の数値解析プログラムを用いて，研究チーム間で解析結果のクロスチェックを実施する．また上記の計測結果から，降雨のみによる影響は限定的であったことから，30年度は豊水期が終了したら，盛土背後地盤にトレンチを設けてそこに水を張る湛水実験を実施する．このように当初実験計画を適宜見直すことで，研究目的を達成できるようにする．
力学的検討は先述したように振動台実験を先取りして実施しているが，それらの実験より得られた技術的課題に関する模型振動実験を実施する．具体的には実物のふとんかごを振動台で加振することで栗石の揺すりこみ沈下を評価するとともに，屈撓性の影響を評価する模型振動実験を実施する．これにより当初計画を先取りするとともに，計画以上の研究成果が得られるものと期待される．
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