2017 Fiscal Year Research-status Report
生体情報による路面評価法を適用した土系舗装ベースの屋外歩行施設施工と評価
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16K06498
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
鬼塚 信弘 木更津工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (60270229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢口 義人 木更津工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (50455119)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 筋電位測定 / 路面評価法 / 土系舗装 / 土質試験 / 屋外歩行施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は下肢の筋電位や加速度の生体計測と舗装の硬さや舗装のすべり抵抗性の物理性状を関連付けた実験と解析を行い、路面の評価法を構築する。さらには実際にその評価法を適用して土系舗装をベースとした屋外歩行施設を施工し、リハビリテーション効果の有効性についても検討することを目的としている。 平成29年度は2つのテーマを実施した。1つ目は、研究協力・支援者の民間道路会社にて、新たにフリーマントルの舗装を試験施工した。舗装の硬さを指標とした衝撃加速度の測定と舗装のすべり抵抗性を指標としたすべり抵抗係数の測定を行った。被験者は男性4名、女性6名の計10名で、年齢は19歳、20歳、48歳であった。既存の舗装と合わせて18舗装上を被験者が歩行した時の下肢の筋電位測定と加速度計を左右足首に装着し、導出された筋電図と加速度を同期させた測定を研究代表者及び研究分担者が共同で行った。なお、試験装置一式は研究分担者が新たに作製し、測定精度の向上を図った。被験者の靴内のインソール下に踵着地、足先離地時が判別できる2箇所のフットスイッチを取り付け、被験者全員の筋電位と加速度のデータにノイズ処理を施すなどの解析を行った。その結果、下肢の筋活動は舗装の硬さおよびすべり抵抗係数の違いによって変化していることがわかった。 2つ目は、本校に土系舗装をベースとした既存の屋外歩行施設の舗装を修繕し、屋外歩行施設の異なる路面の硬さによる足首の加速度と下肢の筋活動量の変化から歩行時安定性の基礎検討を行った。被験者は男性1名、女性2名の計3名で、年齢は19歳から20歳であった。試験装置は1つ目と同様のものを用い、筋電位測定の結果、被験者によらず、合成加速度は上下加速度の影響を受けやすくなるが、合成加速度の向きは被験者によって変わる。被験者同士に規則性はあまりみられないが、被験者ごとにみると一定の傾向はみられることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度から新しい筋電位のアクティブ電極と9軸センサーを製作して、本研究に取り組んだ。被験者の運動靴及び革靴の靴内のインソール下に踵着地、足先離地時が判別できる2箇所のフットスイッチを取り付け、足が路面に着いている区間のデータの切り出しを行い、被験者全員の筋電位と加速度のデータにノイズ処理を施すなどの解析を行い、測定精度の向上が図れた。本測定の中では、被験者が持っている最大筋電位が明らかではなく、被験者個々の解析はできるが、全被験者を統一した有効な解析方法は得られていない。そのため、被験者が持っている最大筋電位の測定を行い、全被験者を統一した有効な解析方法を構築する必要がある。また、屋外歩行施設では土系舗装をベースとして雑草が繁茂しにくい材料を用いたが、夏場においては雑草が繁茂する区画と繁茂しにくい区画の両極端の繁茂状況となった。その場所で、継続的な筋電位測定を行うためには、雑草が繁茂する原因を究明し、維持管理が容易な舗装材料に切り替える必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度までに得られた研究成果を基に、研究代表者及び研究分担者が共同で下肢の筋電位と舗装の硬さ、下肢の筋電位と舗装のすべり抵抗性の評価式を構築し、他機関と連携しながら、精度良い路面の評価法を確立する。 現在、研究代表者及び研究分担者が弾力性舗装材の試験装置を考案し製作している。その弾力性舗装材用試験装置の精度検証を行い、その装置の確立を目指す。 本研究の路面の評価法を適用し、研究代表者が各種土質試験結果、弾力性舗装材の試験結果、雑草が繁茂する原因を究明するための試験結果に基づき、本校に土系舗装をベースとした屋外歩行施設の舗装を修繕する。 以上の実験的研究で得られた成果をまとめ、学術誌への論文投稿、国内の学会での公表を行う。また、前年度までの研究成果も加えたまとめの成果を学会・学術誌への論文投稿等により公表する。
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Causes of Carryover |
雑草が繁茂する原因を究明するための屋外歩行施設の舗装評価について、夏場の時期を過ぎてしまったため、今年度、購入予定の物品(舗装路面の透水試験装置、舗装評価のための土質試験装置)を次年度購入し、さらには外部委託による舗装の化学的試験等を実施した方が効率的と考えたため、次年度に使用額が生じた。 次年度は物品費として、舗装路面の透水試験装置、舗装材評価のための土質試験装置、外部委託による舗装の化学的試験、筋電位計関係の部品、加速度計関係の部品、フットスイッチ関係の部品、弾力性舗装材等に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)