2017 Fiscal Year Research-status Report
片側交互通行規制道路における新たな交通運用方法に関する研究
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16K06527
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
濱岡 秀勝 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (70262269)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 暫定二車線高速道路 / 片側交互通行規制 / 通行可能時刻表 / 交通運用方法 / 交通安全 |
Outline of Annual Research Achievements |
高速道路暫定二車線道路にて片側交互通行規制を実施する場合,道路情報板等により規制の有無を知ることができる.しかし,規制区間到着時に通行可能かわからないため,方向切替直後に停止すると長い待ち時間を強いられることになる。このような状況に対して、予め通行可能な時刻を提供する時刻表より,待ち時間を回避できると考えている. 本研究では,停止車両数や待ち時間を減少させる時刻表の時間設定を明らかにするため,高速道路利用者へのアンケート調査や片側交互通行規制のビデオ観測等を実施した. まず始めに,アンケート調査結果から,時刻表が効果的であるドライバー属性を調べるため,ドライバー属性ごとの規制区間前での待ち時間に応じたドライバーの選択行動の結果に着目した.これにより,待ち時間によりいらだちを感じた人や情報提供に不満がある人,時間に余裕がない人に対して時刻表が効果的であることを明らかにした. 次に,待ち時間に応じたドライバーの選択行動の結果を用いて,ドライバーの意識を考慮した時刻表導入効果の評価を実施することができた.そして,時刻表導入効果を評価した結果から,平均待ち時間や停止車両の割合が減少する設定通行可能時間を明らかにした.具体的には,規制距離に応じた適切な時間設定の関係を提示している.規制距離は長い方が,短い設定通行可能時間で効果が確認できること,また,停止車両の割合が減少する設定通行可能時間は,規制距離の長さに関係なく長く設定するほうが良いことを明らかにできた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の成果により、片側交互通行規制時における車両の到着分布、および当該区間での停止時間が与えられた状況での利用者の行動特性を明らかにできた。ゆえに、平成29年度には、これら成果を統合し、(1)時間表導入として提示する停止時間、(2)時間表導入の認知率、(3)停止時間の提示による利用者の行動特性、(4)利用者の行動特性を踏まえた車群到着分布の変化等に着目したシミュレーションを実施した。この結果をもとに、規制区間長や当該区間での到着交通量分布等に対応した最適な時間表を導出できた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる平成30年度には、高速道路片側通行規制時における時間表の一般道路への拡張、および、高速道路片側通行規制時における時間表の冬期高速道路への拡張を実施する予定である。 前者については、これまで時刻表の対象を高速道路としていたが、同様な事象は一般道路でも生じている。ただ一般道路は出入口(交差点)の多さから、片側交互通行規制区間長は短くなる。これは、車両停止位置と工事区間の空間を十分に確保できないことを表しており、交通誘導員にとって危険な状況となっている。その結果、高速道路と比べて事故が多発する傾向にある。この問題解決についても時間表導入が有効と考えており、その導入方法を提示する。 後者については、積雪地では、冬期になると降雪等で高速道路の通行止めが頻繁に発生する。除雪体勢を十分に確保できないことが一つの原因であるが、特に遠距離利用者にとって通行止めは大きな問題であり、到着時間の遅延のみならず、一般道走行による安全性の低下も懸念される。そこで、除雪車先導のもと一定時間のみ通行可能にする運用が可能ではないかと考えている。こうした状況下での時刻表について分析する。
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