2016 Fiscal Year Research-status Report
安全性や旅行時間を考慮した地方部の高速道路整備のあり方に関する基礎的研究
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16K06533
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
佐野 可寸志 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (00215881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ウィセットジンダ ウィスニー 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40534376)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 車両挙動 / 追い越し / 暫定2車線 / 高速道路 |
Outline of Annual Research Achievements |
●交通事故要因の分析:平成12年から16年の5年間に,暫定2車線区間で発生した「はみだし事故」件数を高速道路路線別に集計すると,1位は磐越自動車道で,2位が上信越自動車道である.まず,上位の2つの路線を持つ新潟県の高速道路で発生した交通事故データをもとに,暫定2車線区間と4車線区間別に,事故内容(軽傷,重傷,死亡)と,道路線形(直線,緩和曲線A,円曲線R),勾配,路面状態(乾燥,湿潤,積雪,凍結),天候,車両速度等の中から,交通事故を誘発する要因を特定した. ●交通事故率の推計:4車線区間と暫定2車線区間は,平面線形と縦断線形が大きく異なり,同じ事故率を使うことは不適切であると考えられる.そこで,上記で抽出された要因を変数とした交通事故率推計式を暫定2車線区間と4車線区間別に作成し,それぞれの交通事故率を推計した. ●ビデオ調査:暫定2車線区間2カ所とそれらに挟まれた付加車線区間の複数の測定地点において,車両の通過時刻を測定する.1カ所に40m間隔に2台のビデオカメラを設置し,その区間速度も同時に求める.後述の車両挙動モデルは勾配の影響も考慮できるものとし,モデルの移転性を確認するために2カ所以上の付加車線区間で,車両走行データを取得した. ●タイムスペース図での車両走行軌跡(trajectory)の作成:ビデオ画像から各撮影地点での車両通過時刻と速度を求める.ビデオ撮影地点間の車両の挙動は,その地点での速度も考慮した上で補間して,任意の時刻における各車両の位置,速度,加速度を推計した.また,追い越し車両の挙動を分析することにより,後述の追い越し時の加速度,追い越し時の速度等の値を推定した.また,暫定2車線区間で単独で走行している車種別の車両速度を計測し,これから車種別の希望速度分布を求めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進展している
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Strategy for Future Research Activity |
●暫定2車線区間における車両挙動:暫定2車線区間においては,低速車両による車群が形成される場合がある.その先頭となる車両は,他車の速度に関係なく自分の希望速度で走行(自由走行)すると仮定する.前車よりも希望速度が速く前車に追いついた車両は,前車と同じスピードで,車頭時間2秒で追従走行する.ただし,大型車と小型車の速度は,それぞれ異なった正規分布に従うものと仮定する. ●付加車線区間における車両挙動:(a)追い越し判断:車群が付加車線設置区間へ流入した後は原則として,走行車線を希望速度で移動させる.(b)追い越し挙動:追い越し可能と判断した車両は,追い越し車線のクリアランスを確認した場合は,一定の加速度で加速すると同時に車線変更を行う.本モデルでは車線変更に掛かる時間はないものとする.追い越し不可能と判断した車両は,前車に追従走行する.(c)追い越し後の車両挙動:追い越しを開始した車両は,希望速度にある一定の速度を加えた速度まで加速して前車を追い越す.場合によっては,2台以上まとめて追い越すことも可能であり,走行車線に戻った追い越し車両を追い越すことも可能なモデルとする. ●適切な付加車線長や設置間隔の検討:上記モデルを用いて,与件のルートに対し,複数の交通量と大型車混入率のパターンごとに,適切な付加車線長やその設置間隔を検討する.上りと下りの付加車線が交互に出現する「2+1車線」道路の線形に応じて,交通量や大型車混入率を考慮した最適な付加車線長も計算する.
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Causes of Carryover |
予定していた調査の一部が未実施のため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未実施の調査を実施する.
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