2018 Fiscal Year Annual Research Report
A method of evaluating a function of a public space with a focus on social network formation in a community
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16K06537
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横松 宗太 京都大学, 防災研究所, 准教授 (60335502)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 公共空間 / 地域コミュニティ / 社会ネットワーク / 商店街 / 祭り / 避難所 / 災害備蓄 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、まず、神戸市長田区の商店街を対象に、地域の祭りである縁日を通じた社会ネットワークの拡大効果と、アーケードを構成する各施設が果たした役割に関して取りまとめた研究を論文として著した。 次いで、災害時の地元商店街のアーケード空間の避難所利用の可能性と収容力について定性的、定量的に分析した。神戸市長田区の商店街には、ライフライン途絶時でも約1200人日分の食料、約1700人日分の飲料、2300人分の宿泊スペースがあることを示し、想定避難者が5200人である当コミュニティにおいて、既存の指定避難所を補完する機能を果たすキャパシティがあることを指摘した。 さらに、各個人の知識や経験が交流を通じて伝達され、またそれらに対する関心がネットワークを変化させる過程について、社会ネットワークモデルを用いた理論的分析を行った。そこでは、似た知識・経験をもつ人を好む同質性選好のみならず、異質性選好をもつ個人の存在も考慮した。分析の結果、ネットワーク形成の前半段階では異質性選好者がグループをつないだり、拡大したりする役割を担い、その後は同質性選好者がグループ内の結束を維持する役割を担うことが明らかになった。モデルが「弱い紐帯の強さ」現象を説明することも示された。本分析の結果を国際学術誌に投稿する予定である。 本課題では、一連の研究を通じて、「地域の祭り」や「災害時の共助」などの非日常的イベントで生まれる、地域住民の間のネットワークやその発展過程について分析した。そして、それらが行われる公共空間や土木施設の役割や便益について分析した。商店街の耐震化や活性化による、長期的な社会ネットワーク拡大効果や防災的便益の存在や、その一部を計測する手法を示し、また他国・他地域での適用可能性について考察した。
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Research Products
(6 results)