2016 Fiscal Year Research-status Report
近接情報板の判読性向上に資するシンボルの考案と評価
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16K06538
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯田 克弘 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (70222809)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高速道路 / 情報板 / シンボル / 判読性 |
Outline of Annual Research Achievements |
高速道路の可変式道路情報板のシンボルには、分かりにくいものが存在するという指摘があり、先行研究では、新たなシンボルデザインを考案し、1事象情報板を対象に、ドライビング・シミュレータによる室内走行実験を通じて、改善効果を確認した。本年度は研究実施計画に記載した通り、判読難易度の高い2事象情報板を対象に、新たなシンボルを表示することによる可読性や理解度の向上、シンボル表示の有無、デザインの違い、事象発生位置の表示形式、あるいは文字色の違いが、情報板表示の可読性・理解度に与える影響を検証した。その結果、2事象情報板では、半数近くの人が全ての内容を読んでいないという根本的課題が明らかになった。また、シンボルの表示による今後のさらなる改善検討に向けて、情報伝達機能の高いシンボルが効果を発揮することが確認できた。 さらに,次年度の実施計画を前倒しし,近接して設置された2箇所のJCT情報板が近接することによる影響や、シンボルを表示することによる影響を視認性や可読性の観点から検証した。この結果,近接の影響については、情報板の視認距離が上流側に比べて、下流側が相当程度短く、上流側の情報板消失点を通過した直後から、下流側の視認を開始していることが確認された。また、考案したシンボルを2事象JCT情報板に表示することにより、上流側情報板では視認性や可読性が向上する効果を確認できた。しかし、下流側の情報板については、今回実験対象とした2箇所の2事象JCT情報板の離隔距離の中で、情報量が多すぎる場合は、情報板に表示された内容を認識するのに必要な視認距離や判読時間が十分確保されていない可能性が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
申請時の研究実施計画では、 平成28年度目的:2事象情報板にシンボルを表示することで、研究代表者の先行研究同様、可読性が向上するか、あるいは可読性が向上した上でさらに理解度が向上するかを評価する。 平成29年度目的:平成28年度の結果を踏まえ、現存する状態を対象に、情報板の近接の問題が、シンボルの表示によって改善されるか否かを評価する。 としていたが、平成28年度に平成29年度の内容を一部実施していることから、上記の通り判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に、2事象情報板にシンボルを表示することで、可読性が向上するか、あるいは可読性が向上した上でさらに理解度が向上するかを評価したが、1事象情報板を対象とした先行研究のように明確な効果は確認されなかった。これは、2事象情報板の情報量と表示レイアウトが関係していると考えられるため、この原因を精査し、情報板の表示レイアウトを変更あるいは新規に考案し、平成28年度と同様の実験・評価を行う。
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Research Products
(5 results)