2017 Fiscal Year Research-status Report
電波シールドボックスによる電波吸収リサイクルボードの開発
Project/Area Number |
16K06569
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
河邊 伸二 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20252314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 洋介 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00757338)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 電波吸収 / リサイクルボード / 電気炉酸化スラグ / 2.45GHz |
Outline of Annual Research Achievements |
私達は日常生活の中でラジオやテレビ放送、家庭用の無線電話、電磁調理器などさまざまな電磁波を利用している。しかしその一方で、電磁波による弊害も拡大しており、病院建築内での携帯電話による医療機器の誤作動問題や社内無線LAN通信障害等の障害発生が数多くなるようになってきた。これらの原因のひとつが建築物の内外において電磁波が吸収されないことによる多重反射であることから、電子レンジ、無線LAN、家庭内コードレス電話の2450MHz帯の電波対策を施す必要が益々重要になっている。 プラスチック廃棄物と木粉を原料にするリサイクルボードに電波吸収と遮蔽特性を付加させた、高機能な2450MHz帯の電波吸収リサイクルボードを開発する。 廃材を利用したリサイクルボードは、加工性、防水性が高く、有用な建材である。しかし、近い将来、コスト競争になることが予想される。リサイクルボードに高機能な付加価値を付けることで、リサイクル市場の日本の国際競争力が増すことになる。電波吸収とさらに遮蔽の効果は高機能化に対応している。 電波吸収と遮蔽効果を付与する高機能化の研究と、産業廃棄物から建築用リサイクボードを作製する研究の融合である。研究の結果、電波吸収リサイクルボードを、建築壁面や床・天井に張ることにより、建築電磁環境を飛躍的に向上できることとなる。 情報化社会が進展する中で情報伝搬における電波のニーズは急速に増えている。障害を低減すべく高性能で実用可能な電波吸収リサイクルボードを開発のため、電気炉酸化スラグやカーボンの混入による電波吸収体の開発を目的とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
安価に入手できる産業副産物の電気炉酸化スラグを混入したモルタルによる電波吸収体の厚さを増すことで、厚さと周波数の変化に対する反射減衰量(電波吸収量)の変化を小さくした。このモルタルに用いる電気炉酸化スラグの種類の変更や、カーボンの混入が収束に及ぼす影響を明らかにすることで、安価で厚さを厳密に管理する必要がない広帯域電波吸収体の開発のための基礎データを得た。 電気炉酸化スラグを混入したスラグモルタルに、さらにカーボンを混入することで、骨材に用いる電気炉酸化スラグの種類によらず、より薄い供試体厚さにおいて厚さと周波数それぞれに対して収束(厚さ又は周波数の変化に対して反射減衰量の変化が小さい状態を収束という)させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最適調合の供試体を引き続き作製し、作製したリサイクルボードを実際の建築環境に設置して、電波の吸収・遮蔽効果を評価する。 2.45MHzにおける最適なリサイクルボード設置方法を見出し、電波発振機器に対応した電磁環境構築方法を確立する。 最終年度として、成果報告書を作成する。
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Causes of Carryover |
理由 低コストである電気炉酸化スラグの使用量が少なかったからである。 使用計画 電波吸収材料である電気炉酸化スラグの使用の検討を行う。新たな測定方法の検討を行う。
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Research Products
(1 results)