2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K06575
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本 春行 広島大学, 国際協力研究科, 教授 (60158293)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 粒子破砕 / 三主応力制御型高圧圧縮試験機 / 応力径路 / 平均主応力 / 偏差応力 / 粒子破砕量 / 凹凸係数 / 針状比 |
Outline of Annual Research Achievements |
砂に大きな圧力が作用すると粒子自体が壊れることが分かっている。これを粒子破砕といい、この現象が発生すると土粒子の力学的性状が変わる。土粒子の破砕は高層ビルの杭基礎や大規模なダムの直下で発生することが知られており、特に杭の底部の角で発生するせん断破壊ではより大きく力学的性状が変化することが考えられる。 三主応力制御型高圧圧縮試験機を用いて様々な応力径路下での破砕実験を行い、平均主応力p=一定であるπ面上での応力径路の違いによる粒子破砕の進行度について調べた。 その結果偏差応力qが大きな影響を与えていることが分かった。pの大きさによって多少異なるが、π面上の三軸伸張から三軸圧縮への方向角が異なっても粒子破砕の進展度合いにあまり影響がなく、粒子破砕性状をも考慮した構成関係を構築する際には、説明変数として平均応力pと偏差応力qを独立パラメータとして取込む必要性が実験結果から示唆された。 さらにマイクロスコープを用いて破砕前後の粒子形状の測定を行ったところ、凹凸係数ならびに針状比共に応力径路の影響を受けた結果が見られた。そして、破砕後の粒子の状態を調べるためにふるい分け試験を行い、土を構成する土粒子径の分布状態を調べた。ふるい分け試験の結果から得た粒子破砕量と塑性仕事量との関には非常にユニークな関係が見られたが、応力履歴の影響は明確に現れていない。 以上の結果から粒子破砕量を平均応力pと偏差応力qとにより表す実験式を見い出し、その近似性は非常に良好であることを示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
三主応力制御型高圧圧縮試験機に三方向の主応力を独立に制御できるように改良を加えて、様々な応力径路下での破砕実験が可能となった。当初の計画どおり、一般の三次元応力径路下での破砕性状に関する検討を行っており、汎用性のある結論を導き出せる。
|
Strategy for Future Research Activity |
到達高圧状態に至るまでの応力径路(平均応力pと偏差応力qの増加径路)を変えた破砕実験から導いた実験式の汎用性についてさらに検討する必要がある。
|
Causes of Carryover |
消耗費等、すでに購入済みの物品を使った為、その他の経費で残金が発生した。 本課題については1年間の補助事業期間の延長が認められており、未発表研究成果の発表経費に使用する。
|