2018 Fiscal Year Research-status Report
シラン系塗布含浸材のコンクリート内部へ高圧注入によるコンクリート構造物の長寿命化
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16K06590
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 耐久性 / シラン系含浸材 / 再アルカリ化 / 高圧注入 / ケイ酸塩系含浸材 / 中性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで自己修復システムで使用してきた,コンクリート内部に設けた補修剤の充填孔(以下:ネットワーク)を用い,そのネットワーク内部に表面保護工法で使用されるシラン系含浸材(以下:シラン)及びケイ酸塩系含浸材(以下:再アルカリ化剤)を注入し,コンクリート内部に劣化因子に対する保護層を形成させ,コンクリート内部の性能回復をすることで,耐久性の向上,さらにはランニングコストの低減につながると考えられる。 各温度下における中性化したコンクリートのネットワーク内部へのシラン系含浸材の高圧注入によるコンクリート内部への浸透性状に関する検討した。ネットワーク内部へのシラン注入を行い,その際の浸透性状の検討を行った。その結果,シランの温度が上昇すると粘性が低下し,中性化した試験体であっても浸透深さが向上する傾向を示した。しかし,シランの浸透面積割合は減少する傾向を示した。このことから,実大構造物への適用も充分に考えられる。 各温度下における中性化したコンクリート内部へのケイ酸塩系含浸材の高圧注入による再アルカリ化に関する検討を行った。ネットワーク内部へのケイ酸塩系含浸材の注入工法の開発を行い,注入条件が浸透性状に及ぼす影響の検討を行った。その結果,ネットワーク内部にケイ酸塩系含浸材を注入することにより,中性化が進行したコンクリート内部の再アルカリ化が可能であることが確認された。シランと同様に注入圧力及び注入時間の増加に伴い,再アルカリ化される面積が増大する傾向を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ネットワークへの含浸材の注入による耐久性向上 本研究では,早期劣化の原因となるひび割れからの劣化因子の侵入を防ぐことを目的とし,ひび割れの自己修復機能を有する「自己修復コンクリート」の開発に取り組んできた。既往の研究の結果,自己修復機能により,ひび割れからの劣化因子の侵入を防ぎ,鉄筋の腐食を抑制が可能であることを確認した。しかし,コンクリートの劣化因子に挙げられるCO2やCl-は,ひび割れだけでなく,表面からも浸透し,耐久性を著しく低下させるため,コンクリート構造物は常に劣化が進行していると言える。表層部のコンクリートからCl-の浸透による鉄筋腐食するので、ネットワーク内部からコンクリートへの含浸材の注入による鉄筋の腐食を止めることが出来る。 既往の研究では,従来,補修剤の注入に使用してきたネットワークに,耐久性改善に用いられる含浸材を注入することで,コンクリート自体の耐久性を向上させることを示した。そのため本研究では,実際の施工現場を想定し,様々な温度環境下での,シランのネットワークへの注入を行い,その際のコンクリートへのシランの浸透性状の確認を目的とする。
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Strategy for Future Research Activity |
表面含浸工法による,コンクリート構造物の劣化抑制効果は,表面の被覆が外部からのCO2,O2,H2O,塩化物イオンといった劣化因子の侵入を防ぐことによって発揮される。しかしコンクリート表層部が多量の水分を含んでいる場合,コンクリート組織が相当に緻密である場合,およびコンクリート表層部の脆弱化が進んでいる場合など,表層部の状況によって最大限発揮できない場合がある。そこでネットワークを使用した自己修復システムを使用することで,これらの問題を緩和させることが可能と考えられる。
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Causes of Carryover |
実物大の構造部材の作製及び試験費用として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)