2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new lighting technology to enhance luminance contrast for older people to read better
Project/Area Number |
16K06608
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
明石 行生 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (10456436)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 照明 / 視作業 / コントラスト感度 / 視覚の加齢変化 / 読み易さモデル / 高齢者 / プロジェクションマッピング / 明視性 |
Outline of Annual Research Achievements |
紙面に印刷された文字の読み易さは、文字サイズ、輝度コントラスト、順応輝度により決まる。現在の照明基準は、順応輝度を高めることを推奨している。しかし、ヒトの目は加齢によりコントラスト感度が低下するため、高齢者に対しては順応輝度を高めるよりも、輝度コントラストを高めることが重要である。しかし、従来の照明技術は、輝度コントラストを高めることはできなかった。今回、映像を照射対象物の形状に合わせて重畳するプロジェクションマッピング技術を応用し、黒い文字には照明せず、背景の白い紙の輝度を高めることにより、文字と背景の輝度コントラストを高めるという新規の方法を開発した。まず、読み易さモデルを開発した。読み易さモデルは、明視3要素条件の下、文字の読み易さについて評価させた実験で得たデータをもとに、文字サイズ、輝度コントラスト、順応輝度を変数として「読めない」から「非常に読み易い」までの6段階の読み易さレベルを等読み易さ曲線として、高齢者と若齢者を対象に構築した。その読み易さモデルを組み込んだコントラスト向上照明システムを開発した。このシステムは、カメラ、PC、プロジェクタから構成される。視対象をカメラで撮影し、PCで輝度画像を作成し、明視3要素を把握する。その後、その明視3要素を基準として個人のコントラスト感度に応じた読み易さモデルから読み易さを1段階 (あるいは2段階)高める輝度コントラストを算出し、輝度コントラスト強調画像を作成する。最後にその補正画像をプロジェクタで視対象に重畳するように投影する。リアルタイム処理は、和歌山大学の天野敏之教授の協力により実現した。 実証実験では、本システムを用いて、順応輝度と輝度コントラストを変化させ、文字の読み易さと眩しさを評価した。その結果、本システムにより、文字の輝度コントラストを向上させることにより読み易さも向上できることを実証した。
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Research Products
(2 results)