2017 Fiscal Year Research-status Report
集合住宅のインフィルに求められる可変性の検証と高齢社会への対応
Project/Area Number |
16K06660
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
南 一誠 芝浦工業大学, 建築学部, 教授 (10407223)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 集合住宅 / インフィル / 高齢者 / 超高齢社会 / 住戸改修 / 可変性 |
Outline of Annual Research Achievements |
UR都市再生機構1970年代に建設した集合住宅(賃貸)、同機構が1980年代初頭に建設した可変性を追求したKEPの居住者を対象に、趙高齢社会において最後まで住み続けることを可能とする住まいの在り方、特に「住戸インフィル」の可変性について研究を行っている。 これまで10年毎の調査を行うなど、継続的に研究しているUR都市再生機構のKEPの分譲住宅について、2017年秋~2018年春に、団地の管理組合理事および居住者に対して、アンケート調査、ヒアリング調査を実施した。今回の調査は、入居後、35年目の調査にあたる。すでに、アンケートおよびヒアリングした調査データの整理、簡単な分析作業が完了している。今回の調査においては、居住者全体として高齢化が進み、介護保険によりインフィル改修を行った住戸、高齢者が「終の住まい」として全面的なインフィル改修を実施した住戸、若い世代が新たに入居するために改修した住戸、複数回目の本格的なインフィル改修を行った住戸などについて、住戸を訪問して詳しく居住者にヒアリングすることが出来た。同じく継続的に調査を行っているUR都市再生機構の賃貸住宅は、入居後45年を経過した段階であるが、今回は、自治体が3年ごとに行っている全世帯を対象としたアンケート調査の原簿を確認させて頂いた。また賃貸住宅ながらUR都市再生機構が特に許可した居住者自身による改修工事の事例を調査した。 2017年度までに行った研究成果について「現在までの進捗状況」に記載する学術図書、論文などを発表した。英国で出版した学術図書は世界的な研究動向に関する最新の情報をまとめた図書で、国際的な研究活動の活性化に多少なりとも貢献できた。他に国際学会での論文発表(査読付き3編)、日本建築学会大会学術講演(6編)、一般論文(6編)を発表した。大学が共催するシンポジウムにおいて、研究成果を講演した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去2か年の研究成果をもとに下記のとおり、研究成果を発表した。 1.学術図書:Japanese Innovation in Adaptable Homes, Loose-Fit Architecture: Designing Buildings for Change AD, pp. 38-45, Willy, September 2017, Alex Lifschutz (Editor), John Habraken,,Kazunobu Minami, et.al. Profile 249 Volume 87 No 5, ISBN: 978-1-119-15264-4, 144 pages 2.査読付き論文(他、2編):The Adaptability of Collective Housing in Japan, Kazunobu Minami, UIA 2017 Seoul World Architects Congress, September 2017 3.日本建築学会大会 学術講演会梗概(他、4編):集合住宅の間取りの可変型に関する研究(1)、(2)、南一誠他、日本建築学会大会学術講演梗概集(中国)、E-1分冊,pp.1097 -1098、pp.1099-1100、2017 年 8月 4.一般論文(他、3編):建築のライフサイクル しなやかに変化する建築を目指して、南一誠、BELCA NEWS 163 号 特集「ライフサイクル設計を考える」、pp.20―24、2018年4月、超高齢社会における公共施設整備の課題と展望、南一誠、建材試験センター 建材試験情報 2018年3・4月号、pp.28-37、2018年3月、しなやかに変化する建築 建築ストック活用の手法、南一誠、建材試験情報 2017年11・12月号、pp.28-35、2017年11月
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は最終年度であるため、これまでの研究成果に基づき、より深い分析、考察を行う予定である。そのため、調査対象とした管理組合の理事、自治会の幹部との意見交換も行う予定である。研究成果については、日本建築学会およびCIB関連の国際会議にて研究発表を行い、他の研究者からの評価、助言を得て、より完成度の高い分析、考察ができるようにしたい。
|
Causes of Carryover |
旅費(33万円)が執行出来なかったため、その金額は繰り越しとなった。国際会議開催国が渡航危険との判断が勤務先の大学においてなされ、学長名で渡航禁止通達が出されたため、論文投稿したが、渡航できなかった。今年度、安全な国にて開催予定の国際学会にて、さらに研究成果を発展させて執筆した論文を発表すべく準備をしている。
|
Remarks |
主な論文のPDFを公開しております。
|
Research Products
(21 results)