2016 Fiscal Year Research-status Report
日常事象と非常事象における病院外来部の建築計画に関する研究
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16K06661
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
江川 香奈 東京電機大学, 情報環境学部, 助教 (10648603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 哲郎 工学院大学, 建築学部(公私立大学の部局等), 教授 (00239972)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 災害医療 / トリアージ / 傷病者受け入れ / 動線 / ヒアリング調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
予兆なく訪れる局面である「非常事象」として、地震災害やNBC災害等が挙げられるが、我々は「日常事象(=ステレオタイプ)」に主眼を置き、建築を設計している。このため、病院の外来では、大きく一般外来と救急外来で平面形状は区分され、一般外来では受付、待合、診察室、検査、会計といった一連の患者の動線などを考慮した配置構成がとられる。しかしながら、「非常事象」では軽症から重症までの様々な病状の多数の傷病者が来院するため、トリアージを実施し(傷病者の重症度を判定)、重症度に応じた診療場所に移動または搬送し、各場所と連携を取りつつ、その場所ごとに診療を行う必要がある。そのためトリアージのためのスペースの確保、重症度別の診療場所の確保、限られた医療者数による重症度別診療場所間の連携に対応できることが求められるが、現状のステレオタイプをもとに設計された病院の外来では、「非常事象」の医療救護活動を円滑に実施できない。そこで、病院における現状のトリアージスペース、重症度別の診療場所等の設置場所の傾向の把握と、設置を検討する際の施設上の問題点や要望をまず実地・アンケート調査により明らかにするとともに、設営時の現状の施設上の具体的な問題点を抽出する。本年度は、調査手法を詳細に検討し、調査を開始した。結果のとりまとめを並行しているため、学会発表等は次年度以降に行う予定である。また現在の結果から研究分担者と最終年度に実施するシミュレーションの構想の方針を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アンケート調査の内容を実際に検討したところ、内容が多岐にわたる詳細な調査票となり、紙面上での回答が困難で、回収率が低くなると考えられた。このため、予定していた実地調査と同時にアンケート調査を行った。今年度は4施設の調査が終了し、調査結果をまとめた。このため、ほぼ当初の計画通りの進捗状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、実地調査とアンケート調査を実施し、結果をとりまとめる。実地調査の対象は期間内にできるだけ多くの対象を調査する予定である。結果がまとまり次第、実験調査の模型作成と教示内容の検討に入る。
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Causes of Carryover |
郵送によるアンケート調査を実地調査と同時に行うアンケート調査に変更したため次年度使用額が発生した。また、これに伴い、結果をまとめているところであるため、学会発表を控えた。アンケート集計作業に関する人件費も繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アンケート調査に関連する使用額をアンケート調査と同時に行う実地調査の旅費として使用する。アンケートとデータ集計に伴う人件費は、結果をまとめる今年度使用する。
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