2018 Fiscal Year Research-status Report
持家共同住宅の部分的再編に関する実態・課題・可能性
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16K06671
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
森田 芳朗 東京工芸大学, 工学部, 准教授 (50396769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前島 彩子 明海大学, 不動産学部, 講師 (00732885)
金 容善 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 客員共同研究員 (00773821)
熊谷 亮平 東京理科大学, 工学部建築学科, 准教授 (20548391)
安枝 英俊 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (60402971)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マンション / 2戸1化 / リノベーション / 専有部分 / 共用部分 |
Outline of Annual Research Achievements |
国内調査 大阪市と東京都港区は、「共同住宅の2戸1化設計指導指針」を1985年から設けている自治体である。これは、良好な住宅ストック形成のため、マンションの比較的小規模な住戸が将来容易に2戸1化できるよう、行政があらかじめ事業者に対応を指導するものである。なかでも大阪市は、この指針が適用されたもののうち、2戸1化可能な設計がなされているものと認められた物件について、その名称等をホームページ上で公開している。2018年度は、それらの物件(65件)のリスト化と各種属性に関する情報整理を行った。さらに、それらの設計者に対して、建物の概要や2戸1化対応の中身、購入者の反応、規約等への記載方法などに関するインタビューを行った。 また、2017年度に行った管理組合へのインタビューのうち、数多くの2戸1化工事の実績のあるマンションについて、法務局で該当住戸の登記簿調査を行った。 さらに、神奈川県住宅供給公社が相武台団地の賃貸住棟で実施した2戸1化リノベーションの事例視察を行い、担当者との意見交換を行った。 海外調査 韓国における共同住宅の2戸1化に関する実態調査を行った。具体的には、韓国土地住宅公社(LH)および韓国建設技術研究院(KICT)の関係者、設計事務所、建設会社に対するインタビュー調査、特徴的な事例視察を行い、2戸1化や増築等、住戸規模の変更、性能向上を伴うリモデリングの現状と課題について情報収集、意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
応募時の2018年度の計画は以下の通りだった。 国内調査:2017年度のアンケートで協力が得られたマンションのうち、典型的・特徴的な部分的再編事例が見られるものを現地訪問し、利用法・構法・体制・法制度・市場の各視点に即して、その詳細に関するインタビューを行う。 海外調査:アジア・アフリカにおける部分的再編事例の収集と課題・可能性の整理を行う。調査対象は、アジアは金の母国である韓国と廖が在住する台湾を、アフリカは前島がこれまで研究対象としてきたザンビアなどを想定している。韓国では、近年、バルコニーの室内化が合法化され、この空間を通じた二戸一化が比較的容易になっている一方、壁式構造の共同住宅における戸境壁の穿孔を禁止する条項が住宅法のなかに現れており、過去の事例がもたらした課題の存在がうかがえる。 以上のうち、国内調査について、マンション管理組合のインタビューは2017年度までに完了している。2018年度は、前述の登記簿調査を行い、インタビューで得た証言の裏付けをとっている。 海外調査について、台湾調査は予定に先立ち2017年に実施したため、2018年度は研究チームで韓国を訪問した。アフリカ調査は前島が継続的に実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
応募時の2019年度の計画は以下の通りであり、現時点での推進方策としてもそのように考えている。
必要に応じて、国内調査または海外調査を補足的に行う。 最後に、マンションの管理・構造・法律等の専門家を招き、国内調査で得られた区分所有マンションの部分的再編に関する実態・課題・可能性、海外調査で収集した持家共同住宅の多様な再生手法の日本への応用可能性について意見交換し、成果をとりまとめる。意見交換は、日本建築学会の関連小委員会での企画として開催することを想定している。
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Causes of Carryover |
主な理由は2016年度に計画していたアメリカ調査を見送ったことだが、この調査は改めて検討する。
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Research Products
(1 results)