2019 Fiscal Year Annual Research Report
Conservation and Maintenance of Religious Buildings as Social Common Capital in the UK
Project/Area Number |
16K06681
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
頴原 澄子 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (40468814)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 慈善団体 / 会社登録 / 教会堂保全団体 / セント・オルバンズ大聖堂 / 複合用途教会堂 / 教会堂建設協会 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度日本建築学会大会(北陸)において、「イギリスにおける歴史的建造物保全団体の慈善団体・会社登録状況---近現代教会建築史に関する比較論的研究(12)」を発表し、各種保全団体の慈善団体登録および会社登録状況を調査した。土地不動産の保有するためには、慈善団体ではなく会社としての登録をするか、個別法により法人格を得ることが必要で、そのためナショナル・トラストやその前進である入会地保存協会は会社登録をしたのに対し、教会堂の維持保全に関わる団体は、そもそも個別法により法人格を得た団体の他、慈善団体では限界があることから会社登録をした団体もあったことが明らかとなった。 11月16日開催の「令和の建築史」シンポジウムでは、上記の成果とともに、これまでの研究をまとめ、英国における政教一致体制の中で、宗教による社会維持が模索される中で行われた過修復事例としてのセント・オルバンズ大聖堂の事例、教会堂維持団体である「ナショナル・チャーチズ・トラスト」「友人のいない教会堂の友の会」「余剰教会堂基金」の守備範囲の違い、そして、前述の各種団体の慈善団体/会社登録状況の調査結果を報告した。 なお、セント・オルバンズ大聖堂の過修復状況については『リノベーションからみる西洋建築史』(彰国社 2020年4月刊行)に所収された。 さらに、2020年度日本建築学会大会(関東)においては、「教会堂建設協会による複合用途教会堂の建設について--- 近現代教会建築史に関する比較論的研究(14)」として、20世紀中頃に建てられた複合用途教会堂の平面計画の類型を分析し、教会堂が複合用途を担うことにより社会資産となり変わろうとしていた状況、その中でも、祭室とホールのステージは共用しない原則があり、聖俗用途での床の共用は控える傾向となっていったことが明らかとなったことを発表予定である。
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Research Products
(4 results)