2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K06685
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩本 馨 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 講師 (00432419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 恵 明治大学, 文学部, 専任准教授 (40401137)
岸 泰子 京都府立大学, 文学部, 准教授 (60378817)
初田 香成 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (70545780)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 都市史 / 建築史 / 空間史 / 絵図 / 地図 / 視角的叙述 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は史料・研究リスト作成と図化の方法論研究について主として取り組み、計3回の研究会を開催した。第1回研究会は2016年7月26日に京都工芸繊維大学で開催し、とくに近現代についてどのような問題が図化可能か、また図化すべきであるかについて議論した。ここでは同時期を大正末~昭和戦前期、昭和戦後~高度経済成長前期、80年代以降の三段階に区分し、それぞれの段階の論点を整理した。第2回研究会は9月23日に東京大学で開催し、ジョージタウン大学のジョルダン・サンド氏を招き、英語での都市史研究成果の発信について意見を求めた。サンド氏からは米国での日本都市史研究の現状と、利用されている日本建築史関係書籍の紹介があった。また英語での発信にあたっては信頼できる翻訳者が必要であること、発信対象を明確化することについても助言をいただいた。第3回研究会は2017年1月20日に東京大学で開催し、既往の英語版図集であるCartographic Japan: A History in MapsおよびWhat is Japanese Architecture?の2冊の分析を行い、図化の方針について議論した。ここでは地理学との差別化を念頭に、絵図そのものを示すよりも空間の読み取り方、解釈のありようを示すことを主眼とすること、網羅的ではなくストーリーのある叙述とすること、古代から現代まで広く扱うこと、史料一覧を充実させるなど検証可能性を可能な限り担保することなどの大方針を定めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目についてはおおむね計画どおりの進捗ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はより具体的な図化作業に着手するため、まずは一部の項目について図化を試み、問題点を議論したいと考えている。また分担者の松山氏が今年度は米国に滞在するため、米国における日本都市史研究についてより詳細な情報収集を行い、海外発信のための戦略を練りたい。
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Causes of Carryover |
今年度は実際の作図作業に着手しなかったため、作図関係の物品類の整備を翌年度に回した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残高分は上記物品類の整備と史資料購入費に充当する計画である。
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Research Products
(4 results)