2018 Fiscal Year Annual Research Report
Preparation of silica hollow spherical particles by spray drying from highly concentrated silicic acid solution
Project/Area Number |
16K06732
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
遠山 岳史 日本大学, 理工学部, 教授 (40318366)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | マイクロカプセル / シリカ / 噴霧乾燥 / 粒子強度 / 形態制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は噴霧乾燥法による軽量フィラーまたは徐放性フィラーとして利用可能なシリカマイクロカプセルの作製を目的としている.噴霧溶液には近年開発された金属陽イオンを含まない高濃度ケイ酸水溶液(H4SiO4水溶液)を用いる.本溶液は水ガラス水溶液を陽イオン交換膜で分離し,電気分解を行うことでケイ酸イオンのみを陽極に,Na+イオンを陰極に移動させることで両者を分離した溶液であり,SiO2濃度約20000 ppmと高濃度であるのが特徴である.この溶液は通常は安定に存在するが,加熱により容易にシリカが析出する.そこで,本研究は本溶液(ケイ酸水溶液)を噴霧乾燥することによるシリカ中空球状粒子の作製と,その性質を明らかにするものである. 昨年度までに,高濃度ケイ酸水溶液を希釈して粘度を調製することで,3~6μmの範囲の球状中空粒子を得ることを報告した.本年度は得られた球状中空粒子1粒の圧縮強さを中心に検討を行った.その結果,25%希釈ケイ酸溶液(800 ppm)で得られた壁厚が薄い粒子では圧縮強さは約25 MPaを示し,壁厚の増大に伴い圧縮強さは増加する傾向を示し,希釈をしないケイ酸溶液(20000 ppm)では約43 MPaの圧縮強さを示した.一方,徐放材料として用いるためには中空壁は細孔を有していなければならない.細孔分布測定により検討を行ったところ,いずれの条件においても細孔分布はほぼ同じであり,6~8 nm程度の微細な細孔を有していることが確認された. 以上の結果から,高濃度ケイ酸水溶液を原料として噴霧乾燥法することにより,徐放性フィラーとして使用可能なシリカマイクロカプセルの創製が可能とした.
|