2017 Fiscal Year Research-status Report
結晶化ガラスを用いたミリ波通信用高Q・低誘電率低温同時焼成セラミックスの研究開発
Project/Area Number |
16K06735
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Research Institution | Nagoya Industrial Science Research Institute |
Principal Investigator |
大里 斉 公益財団法人名古屋産業科学研究所, 研究部, 上席研究員 (20024333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 真 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40262886)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マイクロ波・ミリ波誘電体 / 高Q・低誘電率 / LTCC(低温同時焼成セラミックス) / 結晶化ガラス / 誘電体基板 / 5G無線通信 / 低遅延時間 / ケイ酸塩 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代高速大容量無線通信5Gは、2020年実施予定が2017年には一部前倒しで始まった。大容量化に必須の高周波化、それを支える低誘電率・高Q材料であるケイ酸塩の内、Indialiteは誘電率が最も低く、高Qである。昨年度は、高純度indialite結晶化ガラス粉を作製し、Bi2O3低温焼成融剤を使用して低温焼成実験を行った。ドクターブレード法で引いた基板を5層重ねて焼成、歪みのないLTCC用基板を焼成できたが、誘電損失tenδが2.4GHzで0.0013でそれ程良くはなかった。そこで、より低損失な低温焼成融剤としてZnO/B2O3の開発を続けている。又、共振周波数の温度特性(TCf)をゼロ近くするためにTiO2を13wt%添加したindialite微粉を作製した。 一方、Indialite/cordierite結晶化ガラス基板をダイレクトキャスティング法で作製し、パッチアンテナに応用した。純cordierite組成では表面失透の異方性結晶化によりクラックが発生するので、TiO2を添加して体積結晶化によりクラックを克服した。ダイレクトキャスティング後、歪みによる熱破壊を避けるために、直ちにアニール・結晶化させた。結晶化後、基板厚みが1mmになるように両面を平面研削した。TiO2を10wt%添加したIndialite/cordierite結晶化基板の特性は、周波数2.4GHzで誘電率 5.6, tanδ = 0.000253の優れたマイクロ波誘電特性を得た。この基板を用いて、マイクロスプリットパッチアンテナを作製し、無線通信に用いられている3.5GHz帯で、反射係数の測定とシミュレーションを行い良い一致を見た。そのバンド幅も計算値とシミュレーションは、反射係数-10dB以内の近い値であった。この基板は小型マイクロストリップアンテナ用に有用であることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ダイレクトキャスティングガラスセラミックス基板の開発とマイクロスプリットパッチアンテナへの応用は、Indialite/cordierite結晶化ガラスの応用範囲を広げる成果をもたらしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
低損失の低温焼成融剤(ZnO/B2O3)を開発し、温度特性ゼロのTiO2を10wt%添加したIndialite/cordierite結晶化ガラス微粉末に応用して、LTCC用低温焼成基板を作製する。電極をプリントしたシートを積層させ、デバイス応用を目指す。ダイレクトキャスティングガラスセラミックス基板においても、温度特性ゼロの基板をTiO2添加量、焼成温度・時間の調整で作製し、温度特性ゼロのマイクロスプリットパッチアンテナを実現させる。
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Causes of Carryover |
購入物品と学会参加の変更により、次年度使用額が生じた。物品購入と旅費に使用する。
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Remarks |
/ The following web sites are concerning of the award: http://www.oulu.fi/microelectronics/node/47157 / An award for fellow on American Ceramics Society: http://www.nitech.ac.jp/eng/news/2016/5221.html
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