2016 Fiscal Year Research-status Report
連続繊維強化熱可塑性樹脂複合材料のIn-situ界面評価手法の確立
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16K06744
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
仲井 朝美 岐阜大学, 工学部, 教授 (10324724)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 複合材料 / 界面 / 界面評価手法 / In-situ界面 / 連続繊維 / 熱可塑性樹脂 |
Outline of Annual Research Achievements |
連続繊維を強化繊維に用いるため高い力学的特性が期待でき、熱可塑性樹脂を用いることでリサイクル性、二次加工性等の利点を得ることができる。一方で、成形条件が界面特性に影響を及ぼし、成形品の力学的特性に影響を与えるということが明らかになってきており、単繊維を取り出して行う従来の界面評価方法では、成形条件の影響を受けて形成された成形品内の界面相(In-situ界面と称する)の評価は困難である。 本研究の目的は,連続繊維強化熱可塑性樹脂複合材料におけるIn-situ界面評価手法を確立し、In-situ界面の形成メカニズムを明らかにすることである。最終的に、実験および解析的アプローチにより、最適界面設計に関する指針を構築する。 平成28年度は、In-situ界面評価手法の確立を目的とし、以下の評価を実施した。 1) 90°方向の力学的特性評価:一方向材料を作製し、90°方向に負荷を加ええることにより界面で初期破壊を発生させることが可能である。これを利用し、成形品の界面特性を評価した。 2) 微視的損傷発生・進展挙動のその場観察:クロスプライ積層板を成形し、所定のひずみを付与した後、微視的損傷の進展量を定量化した。微視的損傷の進展挙動の観察結果の構築により、トランスバースクラックの進展挙動による界面評価の有効性を確認した。 3) ナノインデンテーションを用いた直接測定法の実施:ナノインデンテーション装置を用いて、繊維近傍の界面相に荷重を直接負荷することにより、界面相の力学的特性を評価した。具体的には、局所領域の弾性率を測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に予定していた平成28年度の研究実施計画は、予定通り実施し、評価結果が得られた。 得られた結果をもとに、In-situ界面の形成メカニズムの解明(平成29年度に実施予定)を前倒しで取り掛かる予定であったが、ナノインデンテーションを用いた直接測定法より得られた結果と微視的損傷との関連付けが一部困難であった。 したがって、上記の進捗状況の区分となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度実施した界面評価は、機械側面からの界面評価であるが、新たに化学的側面からも界面評価を実施し、考察することとした。具体的には、ナノサーマル顕微鏡を用いて局所用域の熱物性評価をおこなう。 これに加えて、当初平成29年度の研究実施計画として予定していたIn-situ界面の形成メカニズムの解明も予定通り実施する。
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Causes of Carryover |
当初計画になかったが、平成29年3月に導入したナノサーマル顕微鏡を用いた界面評価を追加して実施することとなった。そのための費用を捻出するため、混繊用炭素繊維および樹脂繊維、混繊糸等の材料を企業共同研究者に提供いただくこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
機械的側面に加えて、化学的側面からの界面評価を新たな計画として追加したため、その費用に充てる。
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