2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of high hardness plastic window with conductivity and stain resistance
Project/Area Number |
16K06754
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
野尻 秀智 神奈川大学, 付置研究所, 客員教授 (70546233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 健司 神奈川大学, 公私立大学の部局等, 教務技術職員 (60409951)
中村 先男 神奈川大学, 付置研究所, 客員研究員 (60772069)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ポリカーボネート / 光化学改質 / 真空紫外光 / 撥水性 / 導電性 / 帯電防止 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリカーボネート(PC)は透明で耐衝撃性に優れたプラスチック材として知られるが、これを車両用樹脂窓に利用し車両の軽量化を図ることがCO2排出量の低減のために注目される。本研究では、プライマー層(アクリル樹脂層)を介して、シリコーン樹脂をPC上に塗布し硬質保護膜として使用するだけでなく、シリコーン樹脂層表面に波長157 nmのF2レーザーや波長172 nmのXe2エキシマランプ等の真空紫外光を照射することにより、SiO2改質層を形成し耐摩耗性の改善に使用できることに着目した。PCやシリコーン樹脂層に対し、SiO2改質層の線膨張率が小さいことや、SiO2形成時の収縮により引張応力が生じやすく、これがクラック等の発生による耐熱性低下の要因となった。我々は、真空紫外光の照射時にメッシュマスクを使用し光の照射領域を細分化することや、スチールウールによるラビング処理を行うことにより、表面硬度と耐熱性の両立性を検討した。F2レーザーを光源とした場合、メッシュマスクの開口長が1.4 mm以下とすることで光照射時間に関わらずクラックフリーのSiO2改質層が得られることを明らかにした。ラビング処理においては、処理時の荷重が大きいほど、またメッシュマスクの開口長が小さいほど、耐熱性が高くなることを明らかにした。 さらに、表面の付加機能として超撥水性と帯電防止性の付与を検討した。波長193 nmのArFレーザーをシリコーン樹脂層表面に配列したSiO2微小球を介して照射することにより、微小球の直径に相当する周期的微細隆起構造を形成した。また、波長157~222 nmの光照射による帯電圧を測定した。その結果、光プロセスのみにより、テーバー摩耗試験でΔH1000≦2%、耐熱性120℃ 3 h、水滴接触角150°以上の超撥水性と無機ガラスと同等の帯電防止性を得た。
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Research Products
(4 results)