2018 Fiscal Year Annual Research Report
Strength enhancement of carbon nanotube reinforced plastics by higher elongation treatment
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16K06764
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| Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
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Principal Investigator |
後藤 健 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (40300701)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | カーボンナノチューブ / 複合材料 / 破壊 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
配向性カーボンナノチューブ（CNT）シートの高温延伸処理について検討を実施した。シート状の一方向CNTシートに静的な荷重を負荷しながら高温での熱処理を実施する手法について検討した。その結果、CNTシート自体の剛性が小さい上に、治具で掴むと掴んだ部位から破壊が生じてしまうことが明らかとなった。治具とCNTの熱膨張係数の違いにより応力負荷をすることを考察したが、現有の電気炉の大幅な改修が必要であることがわかったため、高温延伸処理の実行については本研究のなかでは断念した。
引き続きポリビニルアルコール（PVA）をマトリックスとする複合材料に関する検討を実施した。昨年度フィルムスタック法で作製した高体積率のCNT複合材料については、樹脂の含浸状態が悪く、CNTが十分に樹脂に埋包されていないことがわかった。そこで、PVA水溶液を用いてCNTシートへ含浸したのちにホットプレスにより余計な樹脂を押し出すことで体積率20%程度の複合材料を作製した。その複合材料の弾性率は同程度の体積率のエポキシ樹脂を使用した複合材料よりも高強度となったが、破断ひずみは小さくなり0.4%となった。親水性であるPVAはCNTシートとの濡れ性が悪いためCNTとの接着も悪い可能性がある。そこで、疎水性のポリエチレンと親水性のPVAの共重合ポリマーを使用し、力学特性の変化を調査した。CNTの体積率は20%程度とし、PVAとの比較を実施した。なお、OH基の含有割合56%、68%の共重合ポリマーを使用した。ポリエチレン、共重合ポリマーともに20%の体積率で破断ひずみを0.7%以上にすることができた。一方、複合材料の弾性率はPVA使用複合材料の半分になり、引張り強さはPVA使用複合材料よりも小さくなった。以上から、疎水性樹脂を利用することで、破断ひずみが大きくなる可能性が示された。
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