2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K06787
|
Research Institution | Osaka Municipal Technical Research Institute |
Principal Investigator |
高橋 雅也 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 電子材料研究部, 研究主幹 (90416363)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 真理 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 電子材料研究部, 研究主任 (20416332)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 全固体電池 / スパークプラズマシンタリング / Li7La3Zr2O12 |
Outline of Annual Research Achievements |
イオン伝導性の高い酸化物固体電解質である立方晶Li7La3Zr2O12(LLZO)を安定化させる目的で、Al、または、TaをドープしたLLZO粉末を、ゾルゲル法を用いて合成した。立方晶LLZOが得られる条件を見出し、これを遊星型ボールミルを用いて粒径約1μmに粉砕した。LLZOの放電プラズマ焼結(SPS)法により、焼結性とイオン伝導性について比較・検討した。SPSの焼結条件として、到達温度、プレス圧力、印加電流パルス幅、SPS雰囲気を変化させて、最適条件を探索した。1段目で高温・高圧・長パルス幅で短時間焼成し、2段目で低温・低圧・短パルス幅で長時間焼成してち密化を行った。 用いたSPS装置では直流電流を流していたため、SPS焼結を行った電解質層は、カソード側にリチウムが偏析し、膜厚方向の組成ムラが認められ、組成ムラの抑制という課題が見出された。Liの偏析が解消される条件に付いては明らかにできなかったが、ポーラリティーの逆転によりすぐさま組成ムラが反転することが分かった。また、当初予定したナノサイズのLLZO粒子を用いた結晶配向性の有無の確認はできなかったが、VersaSTATを用いたバルク・粒界抵抗、イオン伝導性に対する結晶子サイズと配向性の影響について、データーを収集した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、LLZOにAl、または、Taをドープした立方晶LLZO粉末の合成をゾルゲル法を用いて行った。また、粒径1μmの立方晶LLZOが得られる条件を見出せた。また、ち密なLLZO結晶を作製するSPS焼成条件を見出した。 ところが、焼結後のLiの偏析という課題を見出したため、交流印加等の検討も含め、若干の遅れが生じたので、深い検討は控えた。 また、SPSプロセスによる結晶配向性の発現や、バルク・粒界抵抗、イオン伝導性に対する結晶子サイズと配向性の影響について、統一した解釈はできていないが、データーがさらに蓄積されれば、解釈が可能となるため、概ね順調と言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
SPSプロセスによる結晶配向性の発現や、バルク・粒界抵抗、イオン伝導性に対する結晶子サイズと配向性の影響について、統一した解釈を行うためのデーターの蓄積を継続する。 また、SPSによる正極複合体(LCO/LLZO)の作製と正極ハーフセルの電気化学的評価、活物質(LCO)/SE(LLZO)界面の元素拡散を抑制するため、LCOコア‐LLZOシェル型粒子を作製し、電極複合体層に用いる。さらに、LLZO粒子とLCOコア‐LLZOシェル型粒子をニ層に充填して同時焼結接合し、対極にLi箔を張り付け、正極ハーフセルを作製する。 充放電測定、及び、交流インピーダンス測定より、LLZO/LCO界面抵抗やLLZO粒界抵抗を調べる。
|
Causes of Carryover |
弊所既存装置のシステムが対応可能であったので、予定価格より低くできた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
成果の発表のため、国際会議に参加する。
|