2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of crystal-grain enlarging process for ultra-fine Cu wiring by strain-energy driving
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16K06793
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
篠嶋 妥 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (80187137)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 超微細Cu配線 / 粒径粗大化 / 不純物効果 / フェーズフィールド法 / 計算機実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
線幅30nm以下の超微細Cu配線の信頼性を向上させることは、ULSIの性能向上に必須の課題となっている。そのためにはCu配線の抵抗率を下げ、かつエレクトロマイグレーション耐性を上げることが必要であり、それはCu配線を構成するCu多結晶粒を一様に粗大化することで実現できる。ところが、LSI中の極微細配線という制限のために、そのプロセス開発は未だに成功していない。最近、茨城大の大貫らにより、Cu配線のめっきプロセスにおける電解液・アノード純度を上げ、かつ添加剤の量を極小化することにより、大幅な粒径向上が実現された。これは銅極細配線における粒成長を阻害する不純物のピン止め効果がきわめて重要であることを示している。本研究は、この不純物効果を再現するため、フェーズフィールド法による計算機実験を行った。さらに、同じ系に応力を付加した場合に、付加しない場合と比べて粒径粗大化の効果があるのかどうかについても計算した。 初期配置として、平均粒径 (アニール前の平均粒径)が実験値40 nm になるように、ボロノイ分割で粒子の区画を分け、区画ごとに粒子の方位を乱数で割り振る。「粒界」と決めた区画に対して、ある割合で「ピン止めする区画」を決める。この割合を impurity xx% と表わす。「ピン止めする区画」については、フェーズフィールド(結晶度)φの時間変化がないものとする。Impurity 25 %と 0 %の計算結果を比較すると、不純物のピン止め効果により粒成長の阻害が見られた。実際に作成した極細銅配線のTEM断面観察と比較すると、Impurity 25 %の結果は従来プロセスの断面観察結果、Impurity 0 %の結果は電解液を高純度化し、添加剤を通常の10分の1まで減らした試料の断面観察結果と符合した。また、系に応力を付加することによる粒径粗大化の効果が認められた。
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Research Products
(3 results)