2018 Fiscal Year Annual Research Report
In-situ observation on initial stage of biofilm formation by means of scanning ion conductance microscopy
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16K06819
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
平井 信充 鈴鹿工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (50294020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼松 秀行 鈴鹿工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (10185952)
生貝 初 人間総合科学大学, 人間科学部, 教授(移行) (60184389)
岩田 太 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30262794)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | バイオフィルム / 走査型プローブ顕微鏡 / 走査型イオン伝導顕微鏡 / 水中その場観察 / SICM / ぬめり |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の成果は以下の通りである。昨年度は単一菌バイオフィルム走査型イオン伝導顕微鏡(SICM)観察に成功したものの、とぎれとぎれの不完全な画像しか得られなかった。そこで、今年度は観察条件の検討を行った。まず、菌によるバイオフィルム生成に最適な培地の成分と、観察時の溶液の成分(リン酸緩衝溶液)が異なるため、どうしても観察を始める前や観察の最中にバイオフィルムがゆっくりではあるが崩壊してしまうため、鮮明な画像を得ることが難しかった。そこで、バイオフィルムを生成する培地をリン酸緩衝溶液で16倍に希釈することにより、バイオフィルムの崩壊はかなり低減化できることが分かった。また、バイオフィルムの崩壊をより低減化するために、バイオフィルム生成後にバイオフィルム固定化剤を添加したリン酸緩衝溶液に浸漬することを試みた。その結果、4%グルタルアルデヒドを添加したリン酸緩衝溶液に浸漬することにより、バイオフィルムの崩壊はさらに低減化でき、バイオフィルムの形態を極めてクリアに長時間にわたって安定的に観察することができた。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果は以下の通りである。ガラスや透明プラスチックなど様々な基板上に形成するバイオフィルムの生成超初期過程において、水中その場でSICMを用いて詳細な3次元構造をサブミクロンスケールで詳細に観察することに世界で初めて成功した。常在菌(環境菌)により生成したバイオフィルムについても、単一菌(枯草菌bacillus subtilis、海洋菌aliivibrio fischeri等)により生成したバイオフィルムについても、どちらも観察に成功した。
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