2016 Fiscal Year Research-status Report
脂質膜の構造変化に基づいたエアリフト型気泡塔のせん断速度分布と気泡表面電荷の測定
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16K06827
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| Research Institution | Yamaguchi University |
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Principal Investigator |
吉本 誠 山口大学, 創成科学研究科, 准教授 (80322246)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 脂質二分子膜 / せん断速度 / エアリフト型気泡塔 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
粒子径と表面電荷が既知の脂質二分子膜小胞体（リポソーム）を調製して，このリポソームを，各種気泡塔内で発生する液体せん断ストレスを実測するためのプローブとして応用する。平成28年度は，双性リン脂質から形成され，親水性蛍光色素を内包させたリポソームを調製使用して，形状とスケールが異なる外部循環式エアリフト型気泡塔内のせん断速度の実測を行った。本気泡塔は，ガス通気により気液混相流と液下降流がそれぞれ生じるライザー部とダウンカマー部が，気液分離部を含めてループ状に接続された装置構造をもつ。ライザー/ダウンカマー断面積比，塔高及びガス分散板の孔径が異なる気泡塔内にリポソームを一定濃度で懸濁させたときのリポソーム内水相から液本体への色素漏出速度を実測・解析することにより，気泡塔内の流動特性を規定する操作パラメータであるガス空塔速度と蛍光色素の脂質膜透過係数の定量的関係を得ることができた。これらの結果に対して，既に報告している同じタイプのリポソームについて決定した色素の膜透過係数とせん断速度の相関式を適用して，各気泡塔内の平均的な液体せん断速度を決定するとともに気泡塔の形状・スケールとせん断速度の関係を考察した。また，不飽和度や炭素鎖長が異なる種々の脂質から形成されるリポソームを用いて，気液流動場に対する脂質膜の応答性を調べ，せん断ストレス感受性に影響する脂質の性質について検討した。上述の結果に基づいて，装置特性が異なる任意のエアリフト型気泡塔内のせん断速度の測定において，リポソームが有効なプローブとして機能することを示した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リポソームをプローブとして，形状とスケールが異なる種々の外部循環式エアリフト型気泡塔内の平均液体せん断速度を実測できることを示した。また，脂質疎水部の構造が異なるリポソームを用いて，脂質分子の構造がリポソームのせん断速度感受性に及ぼす効果を検討した。得られた知見は，平成29年度に詳細な検討を予定している荷電状態が異なるリポソームを用いた気泡群の表面特性の推定において基盤となることから，おおむね順調に進展しているとした。
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| Strategy for Future Research Activity |
既に特定の条件で調製を行っている荷電状態が異なるリポソームをプローブとして，エアリフト型気泡塔内で発生する気泡群の表面特性を推定する。また，塔高や液相体積が異なる気泡塔について実測したせん断速度に基づいて，気泡塔内のせん断速度分布を推定する方法を検討する。
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