2017 Fiscal Year Research-status Report
規則細孔構造を有する膜を利用したダブルエマルションプロセッシング技術の開発
Project/Area Number |
16K06835
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
赤松 憲樹 工学院大学, 先進工学部, 准教授 (50451795)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 化学工学 / マイクロ・ナノデバイス / 膜 / エマルション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,液滴径(0.1~100 μm)と液滴の階層構造が任意に制御可能な単分散複合エマルション調製法の開発を目指している.より具体的には,複合エマルションのなかでもダブルエマルションにターゲットを絞り,マイクロフルイディック技術で調製する液滴径の大きな(液滴径100μm以上)ダブルエマルションを,規則的な細孔構造を有する膜で処理するという新しい技術を開発すること,さらにこれをテンプレートとした機能性微粒子調製技術を開発することを目的としている. 2年度目となる平成29年度は,第1に,規則的な細孔構造を有する多孔体を膜と見立てたPDMSマイクロ流体デバイスを用い,分裂により生成される液滴径と液滴構造を制御する手法の確立を試みた.その結果,平成28年度に得られた結果より推定された規則的な細孔構造を特徴づけるパラメータとの関係を,より詳細に理解することができた.また,分裂前の液滴径や,液滴に最内相が占める割合といったダブルエマルション自体を特徴づけるパラメータも,分裂による液滴径制御に重要な役割を果たすことを明らかにした.第2に,これまでの検討はOil-in-Water-in-Oil (O/W/O) 型ダブルエマルションを用いて行ってきたが,Water-in-Oil-in-Water (W/O/W)型ダブルエマルションでも同様の検討を行い,W/O/WエマルションでもO/W/Oエマルションと同様のメカニズムで分裂がおきることを明らかにした.第3に,分裂後の液滴をテンプレートとして粒子化する手法を検討し,液滴構造を転写した微粒子を調製することに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画通り研究を進めることができている.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究実施計画通り研究を進めていく.
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Causes of Carryover |
当初は,W/O/W型ダブルエマルションの検討には,新しく規則多孔体デバイスを作製する必要があると考えていたが,O/W/O型の検討で用いたデバイスの表面処理を施すことで対応できたため,これに充てる予算が当初計画より小さくて済んだ. 平成30年度は,新しい構造を有する規則多孔デバイスを作製したり,これまで以上に消耗品を使用する予定であり,予算総額としては当初予定通りの使用を計画している.
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