2016 Fiscal Year Research-status Report
サイバーフィジカルシステムを用いたスマート化学プロセスの設計
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16K06842
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
松田 圭悟 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (60415792)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | サイバーフィジカルシステム / スマート化学プロセス / システム設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
化学プラントの未来像として,エネルギー消費のネットゼロ化,無人運転化,超安全化などが求められているが,現状の技術ではこれを達成するのは困難である。そこで,本研究では,未来のスマートな化学プラントを設計するために,蒸留分離プロセスを対象としてサイバーフィジカルシステムを構築する。その基盤研究の第一歩として,スマート化学プロセスに求められる物理社会の機能とサイバー社会の機能を定量化し,“機能”単位の明確化とインターフェイスの共通化をシステムの観点から明らかにする。具体的には,リボイラやコンデンサといった機器全てがインターネットに繋がるIoT型センサーを開発し,これをパイロットスケールの蒸留塔に実装し,実験・プロセスシミュレーションから挙動を解析する。 平成28年度は,スマート化学プラントを構築するための第一歩として,蒸留プロセスのIoT化をおこなった。具体的には,温度,圧力,流量,加速度,照度を計測可能かつインターネット通信可能なセンサシステムを設計し,各機器に接続し,これらの機器を接続した後,プロセスを定常および非定常状態で運転し,時空間的なセンシングデータの取得と解析を行った。 その結果,実世界の様々な空間から時々刻々とダイナミックに生成される多様で連続的な情報コンテンツを捉え,開発した情報通信技術と融合させることで,ビッグデータ処理に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロセス情報を対象とするアルゴリズム構造を構築し,情報を処理するシステムアプリケーションを開発した。ここで,開発した解析ツールを用いて,データ機能を顕在化するために,クラスタリングアルゴリズムを用いて,プロセスデータと操作性,設計性のリンク構造を明らかにした。このようなメタデータを解析することで,CPS構築に必要になされる「機能」を明らかにする検討を実施中である。
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Strategy for Future Research Activity |
メタデータを離散化し,物理的な仮想プラントをコンピュータ上に複数個構築し,インターネット通信を介することで,センシングシステムに求められるデータ特性を決定する。ここから得られる知見をもとに,プロセスデータの機能化のための必要となる情報の最適化をおこない,感度を有する「機能」を決定する。
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