2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K06860
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
渡辺 友亮 明治大学, 理工学部, 専任教授 (30345392)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アンモノサーマル / アモノサーマル / 光電極 / 電着法 / 窒化物 / 酸窒化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、種々の要因から新エネルギーが求められている。我々は窒化物という視点から、高電力効率LED照明用の蛍光体や、水素生成用水分解光触媒の研究を行い、それに応える努力をしてきた。 前年度は使用する反応容器の設計と製作を行った。これにより800度までのアンモにサーマル試験を行うことが可能となった。この装置を用いて可視光応答型光触媒として期待されているLaTaON2の良好な結晶性を持った粉末合成から実験を行った。その結果、フラックス共存のもとでLaTaON2の合成に成功した。X線回折分析によれば、従来の高温で合成したLaTaON2と同等の結晶性を持つ粉末が得られることがわかった。 今年度は前年度の成果により合成することが可能となった、LaTaON2の光電極化に取り組んだ。計画書ではエアロゾルでポジション法をテストすることとなっているが、まずは電着法で光触媒粒子を金属基板上に堆積させることで、光電極作成を行った。その結果、均質な光触媒膜を得ることができ、エアロゾルでポジション法との比較検討が可能となった。本光触媒電極は、アノードとして用い、光照射による酸素生成電極として用いられるため、その助触媒の種類、形態にも大きく影響を受けると考えられる。従って、他方法と特性比較を行う場合は、助触媒の影響をどのようにして考慮するかが重要であり、この点も今後の検討事項となる。現時点では光電流はマイクロアンペア/cm2程度と低いものの、今後の条件検討で、向上が見込めると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アモノサーマル法で合成した光触媒粉末の光電極化に成功し、光電流を観測することができた。ただし、光電流値の絶対値は十分ではなく、来年度のさらなる検討が必要であるが、研究計画は十分にこなしていると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
アンモノサーマル法により合成した光触媒粉末を用いた、光触媒電極の作製を引き続き検討し、光電流の向上に努める。特に電着法により作製した光電極に圧力をかけて特性向上を目指し、それとエアロゾルデポジション法との比較検討を計画している。
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Causes of Carryover |
(理由)他の研究費により購入した反応容器等が流用できたため、購入の必要がなくなった。 (使用計画)サンプル数の増加が見込まれ、それにより必要研究費が増加する見込みのため、そちらに充当予定。
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