2017 Fiscal Year Research-status Report
超低レイノルズ数における昆虫サイズ翼の空力特性の解明
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16K06894
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡本 正人 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70462124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 大輔 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (60507903)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | low Reynolds number / Aerodynamics / wing |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、昆虫のような生物の翅が持つ特有の形態の空気力学的特性を解明することを研究目的としている。具体的には、新たに開発した低圧風洞(科研費研究課題番号2563039)による微小空気力の測定に加えて、流れの可視化技術の確立と数値流体(CFD)解析を併用することが今回の課題である。この課題に対して、二次元翼と三次元翼の両面から実験を進めた結果、初年度、低アスペクト比翼の空力特性として昆虫サイズ翼において新たな現象が見つかったため、日本航空宇宙学会に論文として投稿した。これは当該年度に受理され、日本航空宇宙学会誌2017年10月号に掲載された。その後、この研究はさらに発展しており、さまざまな翼平面形においても一定のアスペクト比の範囲で同じ現象が確認できた。この現象はPIV計測を併用した結果、どれも同じような現象が確認できた。面白いことは、この現象が生じるのはどの平面形もアスペクト比が1付近に限定されており、それより大きくても小さくても現象はほとんど生じないことである。現在その点を詳細に確認中である。また、CFDはアスペクト比1の場合に実験結果との一致が確認できたため、現在レイノルズ数を変更して解析中である。一方、二次元翼については、特にトンボの翅断面に見られるコルゲート薄翼について形状を変更して計測し、より明確な結果を出すことができ、複数の学界で発表している。また、CFDにおいても成果があり、実験結果と近い結果を得ることに成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PIV技術は二次元流れについては概ね実験に使用できるようになり、研究は計画通りに進んでいるが、三次元流れについては可視化が困難であるため、測定方法を変更して計測を行っている。このような低レイノルズ数領域に有効と思われる方法を試しており、機器類を有効に活用できるようになった。今後、実験を継続すると共に結果を公表していく。
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Strategy for Future Research Activity |
三次元翼特性については、複数の平面形を計測した結果一定の成果が得られた。その応用として大きな上反角を持つチョウの翅の形状についても研究を進めている。二次元翼特性ではトンボの翅断面に見られるコルゲート薄翼についてさらに研究を進めている。 今年度は今までに得られた多くのデータをどのようにまとめていくかが課題で、複数の学会において発表を予定している。
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Causes of Carryover |
初年度に見つかった翼平面形に関する実験に集中したため、支出が計画よりも少なくなった。最終年は二次元翼の実験を進めることと、研究結果の公表に特に力を入れる予定である。そのため、必要な設備の購入と学会発表旅費等に使用する。
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Research Products
(6 results)