2017 Fiscal Year Research-status Report
舞鶴から日本のエネルギーを変える:浮体式洋上風車発電量予測手法の確立
Project/Area Number |
16K06915
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
小林 洋平 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50548071)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 浮体式洋上風車 / 風車 / 波 / 動揺 / 水平軸風車 / 垂直軸風車 / 模型実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
浮体式洋上風車の発電量予測手法を確立することを目指す本研究の2年目の取り組みではより精度の高い実験の遂行と解析方法の調査研究を行うことを中心に取り組んだ。実験を進めるにあたり、造波水槽の消波が不十分で反射波が形成され、実験結果に影響を与えていることがわかってきた。この対策のため、前年度に導入したレーザー加工機、NCフライス盤を利用して消波ブロックを大量に作成し、造波水槽の壁面に敷き詰める改良を行った。この改良により、反射波の影響が大幅に小さくなりより精度の高い実験が行える環境が整った。次に造波プランジャーが浮力の影響を受けて、撓むことを修正するために、プランジャーにウエイトを設置する改良を行った。これらの改良により、浮体式洋上風車のタワー部分に見立てた円筒が受ける力についてより詳細な検討を行うことができた。 超大型風車の3次元CAD上での設計とモデリングについても作業を進めた。水平軸風車と垂直軸風車について20MWを想定して設計を行い、できるだけ実際の仕様に近い構造とすることで重量特性の詳細な検討を行った。同じ出力であれば効率が劣る垂直軸風車のほうが大きく重くなるが、浮体式洋上風車を想定して、重心位置に着目して重量特性を検討すると発電機やギヤを下部に設置できる垂直軸風車ではより重心が低くできることがわかった。一方で効率を補う目的で大きな翼を用いた構造にした場合、垂直な回転軸の重量が比較的大きく製作も困難なことが予測できた。さらに、直線翼垂直軸型を想定すると、直線翼と回転軸を繋げるアームの重量が比較的大きく、垂直軸型であっても重心を高くする原因となった。 課題の2年目となる29年度は、解析と実験を結びつける基礎となるデータの蓄積を行うことができた。最終年度は、解析と実験を完了させて当初の研究目的を完了していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
装置の改良や改造に時間を取られ実験のペースが少し遅い。しかしながら装置が完成してしまえば一気に実験をして研究を進めることができると考えている。従って、対外的な発表や論文発表のペースが少し遅い点を除いて、着実に成果を積み重ねることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
装置の細かな修正をできるだけ早い段階で行い本格的な実験を行っていく。実験とあわせて理論的な解析も進め、予測手法の確立を目指す。最初に円筒について、波の波長と受ける力の大きさについて、円筒直径ごとに情報の整理を進める。次に動揺により変化する発電量についての計算を日本の主要な海域ごとに行う。この計算の中で、各海域でどの程度の動揺が予測されるのかについても考察を行いその結果を元に最大値と最小値というある範囲で発電量の変化を予測する。最終的に一定の精度で波浪条件と風況がわかれば動揺による発電量の減少分を見積もれるようにしていく。
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Research Products
(2 results)