2016 Fiscal Year Research-status Report
NBIエネルギーにおける水素原子-タングステンイオン衝突断面積の実験測定
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16K06937
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今井 誠 京都大学, 工学研究科, 助教 (60263117)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | プラズマ計測 / プラズマ・核融合 / 原子・分子物理 / 中性粒子入射 / 衝突断面積 |
Outline of Annual Research Achievements |
核融合プラズマ中のタングステン不純物挙動の解明に必要となる水素原子-タングステンイオン衝突断面積を、日本原子力研究開発機構原子力科学研究所設置のタンデム加速器を用いて測定するために、同加速器L3ビームライン下流の分析電磁石の磁場測定安定化装置の故障修理を試みた。まず製造元の住友重機械工業株式会社と交渉したが、設置より相当の年数が経過しており資料が残っていないために修理不可能とされ、数社と交渉の後、株式会社エコー電子製NMR磁場コントローラーシステムを特注仕様にて導入することで、目的を達することにした。平成28年度中に装置の一部が納入され、29年度に制御用ソフトウェア開発を含め、すべてのシステムが完結し、修理を完了する予定である。 並行して本研究計画を含む研究成果につき学会発表を行い、研究代表者がこれまでに測定してきた各種気体標的とタングステンを含む金属イオンの衝突断面積データおよびそれらに基づく断面積スケーリング測につき、第10回原子分子データとその応用国際会議(平成28年9月25日-29日,大韓民国群山コンベンションセンター)にて、招待講演を行った。また、核融合応用のための原子・電子データの不確実性評価とベンチマーク実験に関するIAEA技術会合(平成28年12月19日-21日,ウィーンIAEA本部)にて発表し、核融合実現のための水素原子-タングステンイオン衝突断面積の重要性につき議論するとともに、本衝突断面積の理論計算を試みているグループや、その他の研究グループと情報交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初平成28年度中に完了の予定であった分析電磁石磁場測定安定化装置の故障修理が、平成29年度にまで及ぶこととなったが、それ以外は予定通り推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の分析電磁石磁場測定安定化装置の故障修理を完了し、実際の測定を開始する。 日本原子力研究開発機構設置のタンデム加速器が、加速管保守のため平成29年度前半の期間、供用停止となる予定であり、年度後半より精力的に実験を行う。
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