2017 Fiscal Year Research-status Report
コルゲート導波管内メガワットミリ波分布の可視化とモード分析に基づく伝送効率の向上
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16K06940
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
下妻 隆 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (80270487)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コルゲート導波管 / 大電力ミリ波 / モード分析 / マイターベンド / ジャイロトロン / 核融合 / フィードバック制御 / ペルチェ素子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究計画に則り以下の2つの課題を実施した。 1. 2次元ペルチェ素子アレイより構成されるミリ波パワー分布モニターの信号解析法について、得られた信号よりコルゲート導波管内伝搬のモード成分を分析するためのソフトウエアの改良をさらに進めた。モード分析は2ステップで行う。第1ステップでは、基本伝送モードのLP01(HE11)モードと、他に候補となる低次モード1つを仮定して、パワー初期値を変えながら評価関数を最小化する。これにより各モードに対して導波管入口でのパワーと位相が求まる。第2ステップとして、基本モードと、仮定されたすべての高次モードを同時に考慮して、上記で得られた初期値を用いて、評価関数の最小化を再度行う。これによって、考慮されたすべてのモードについの成分比が求められる。構成モード数、測定位置の数を変えて、作成された解析コードの妥当性を詳細に調べた。 2.メガワット級パワーを扱うECRHシステムで、マイターベンドミラー部に使用に可能となるように、より高出力のミリ波伝送に対応でき、熱処理能力の高い、小型のペルチェ素子を調査し、調達した。1素子当たり約10Wの熱処理が可能で、これによってパルス運転はもとより、0.5MW級定常ミリ波パワーの伝送にも適用可能なミリ波パワー分布モニターシステムの構築進めることができるようになった。本年度では、マイターベンドミラー部に組み込めるペルチェ素子アレイを製作し、高パワーテストの準備を行った。 得られた結果は、国際ワークショップおよび国際会議で発表を行った。また論文としてまとめPlasma and Fusion REsearch誌に投稿、掲載が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メガワット級の高パワーミリ波伝送に対応できるように、ペルチェ素子の高性能化を図るべく、より小型で熱処理能力の大きいペルチェ素子を調達した。このペルチェ素子を用いで既存のマイターベンドミラー部に組み込めるペルチェ素子アレイをプリント基板上に配置した。これまでのものとは縦横サイズ、素子厚さが異なり、再度基板設計を見直すことにより、既存のものとほぼ同じサイズで回路を構成することができた。また、これらのペルチェ素子アレイ駆動するために、より高電圧を供給できる定電流電源を調達した。このモニターを使うことにより、およそ定常パワー入力で0.5MW、パルス運転では1MW以上を伝送するコルゲート導波管伝送系でのモー ド分析にも対応可能なシステムの構築が可能となる目途が立った。 結合ミラー系のフィードバック制御については、ミラー角度を2軸で自動調整するために、2軸ゴニオステージとその駆動のための2 台のモーター系を2組試作し、駆動試験を終えている。本来これらのミラー系は、真空排気された光学的整合ユニット(MOU)内に設置することを前提として、 真空対応としている。本ミラー系駆動機構構築については、研究協力者である岡田氏の退職により、ミラーボックスの設計、製作作業が当初計画より遅れている。そこで本年度は、新規のペルチェ素子アレイの製作を中心に進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
国際熱核融実験炉 ITER の ECRH 装置等でも対応可能な伝送電力メガワット級定常に対応できるミリ波パワー分布モニター(より半導体素子を稠密化した 小形高性能ペルチェ素子アレイよりなる)を用いて、単体での高パワーでの動作試験を行う。併行して、遅れているミリ波ビームのコルゲート導波管への入射位置調整を行うミラー系とその収納箱の設計、製作をすすめる。研究費との兼ね合いにより真空対応のシステムの構築は難しく、大気中で、比較的低パワーでの動作試験を計画している。LHDでの実験時期との兼ね合いもあるが、これらを組み合わせて、フィードバック制御に対応できるように、その処理の高速化、リアルタイム化を進める。同時に、得られた データに基づいてMOU内の位相補正鏡をどのように動かすかのフィードバックアルゴリズムを考察し、試験を行う予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Development of 300 GHz Band Gyrotron for Collective Thomson Scattering Diagnostics in the Large Helical Device2017
Author(s)
T. Saito, Y. Yamaguchi, Y. Tatematsu, M. Fukunari, T. Hirobe, S. Tanaka, R. Shinbayashi, T. Shimozuma, S. Kubo, K. Tanaka, M. Nishiura
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Journal Title
Plasma and Fusion Research: Rapid Communications
Volume: 12
Pages: 1206013-1 -2
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Development of over-MW gyrotrons for fusion at 14 GHz to sub-THz frequencies2017
Author(s)
T. Kariya, T. Imai, R. Minami, K. Sakamoto, Y. Oda, R. Ikeda, T. Shimozuma, S. Kubo, H. Idei, T. Numakura, K. Tsumura, Y. Ebashi, M. Okada, Y. Nakashima, Y. Yoshimura, H. Takahashi, S. Ito, K. Hanada, K. Nagasaki, M. Ono, T. Eguchi, Y. Mitsunaka
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Journal Title
Nuclear Fusion
Volume: 57
Pages: 066001-1 -9
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Improvement of Millimeter-Wave Transmission Efficiency Using Beam Profile Monitors in an ECRH Transmission Line2017
Author(s)
T. Shimozuma, S. Kobayashi, S.i Ito, Y. Ito, K. Okada, Y. Yoshimura, H. Igami, H. Takahashi, T. Tsujimura, Y. Mizuno, S. Kubo
Organizer
26th International Toki Conference
Int'l Joint Research
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[Presentation] Effect of ECCD on the ion temperature at the plasma core region2017
Author(s)
Y. Yoshimura, T. Shimozuma, H. Igami, H. Takahashi, T. I. Tsujimura, R. Makino, K. Yanagihara, Y. Goto, K. Ida, M. Yoshinuma, T. Kobayashi, K. Nagaoka, R. Sakamoto, S. Kubo, M. Osakabe, T. Morisaki
Organizer
International Stellarator/Heliotron Workshop
Int'l Joint Research
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[Presentation] Current Status of the LHD ECRH System and Development of Dual-Frequency Gyrotrons2017
Author(s)
T. Shimozuma, S. Kubo, Y. Yoshimura, H. Igami, H. Takahashi, T. Tsujimura, R. Makino, S. Ito, Y. Mizuno, H. Takubo, S. Kobayashi, R. Minami, T. Kariya , T. Imai
Organizer
2017 US-EU-JPN Workshop on RF Heating Technology & 2017 US-JPN Workshop on RF Physics
Int'l Joint Research