2016 Fiscal Year Research-status Report
高Sc数乱流物質伝達機構の流れ場スケール依存性解明と配管減肉制御技術実現への挑戦
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16K06952
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
江原 真司 東北大学, 工学研究科, 准教授 (30325485)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 流れ加速型腐食 / 乱流 / オリフィス / 流れの可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
流れ加速型腐食(FAC)について、本研究では流体挙動、特に乱流強度およびこれまで考慮されてこなかった乱れのスケール(周波数・時定数)に着目し、これらがFACに与える影響を実験的に明らかにすることを試みている。今年度はオリフィスを有する円管配管に着目し、流れの入口条件を発達乱流として実験を行った。オリフィス下流における流れ場の詳細をヨウ化ナトリウム水溶液とアクリル製流路の組み合わせによる屈折率調合PIV計測で取得し、管軸方向、円管の径方向および周方向の速度成分について、速度変動の周波数解析を行った。まずオリフィス下流の全体の流れを撮影し、再付着点位置(Z=Zr)を割り出した。レイノルズ数は7万、4万5千とした。そして、減肉に顕著な差が生じると考えられる再付着点位置の上流・下流であるZ=0.4Zr、1.2Zrにおける壁面近傍の速度変動パワースペクトル密度分布を評価した。 各zの位置において、壁方向3か所(その位置における粘性底層の内、外に相当する位置)について速度変動PSD分布を得たが、全ての方向について顕著な変化は見られなかった。壁面における物質伝達は、粘性底層の影響が当然大きいわけであるが、粘性底層内の速度変動周波数特性は、粘性底層外の位置からも評価可能であることを示唆している。また、0.4Zrと1.2Zrにおける周波数特性の比較から、z方向およびr方向においては両社に顕著な差は見られなかったが、θ方向については1.2Zrの低周波数成分が0.4Zrのモノより大きい傾向が見られた。これは減肉分布から考えると逆の結果となり、低周波数成分の解析精度の向上や実際に本実験体系において減肉実験をするなどして、さらに詳細に評価する必要があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験装置であるヨウ化ナトリウム水溶液循環ループの設置に時間がかかってしまった。試験部の配管はフランジ接続で設置するが、その際の僅かなずれにより内部の流れに偏流が生じてしまい、試験部であるオリフィス円管の入口条件である「(ほぼ)発達した乱流」を得るまでに想定した時間の倍以上を費やしてしまった。 これに加えて、クローズアップ計測の際に必要となる「参照スケール」の設計にも想定以上の時間がかかり、つまり、カメラを固定した状態でその「参照スケール」を撮影し、流れの可視化の際には、撮影している領域の流れに影響を及ぼさないようにカメラの視野から移動するような機構を考案するのに時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
高速度カメラによるサンプリングレートの最適化や、データ数の増加などにより、特に低周波数成分の解析精度を向上させ、速度変動の周波数特性の詳細評価を図る。 また、レイノルズ応力についても評価の対象とし、解析を行う。 さらに、本実験体系による減肉実験を、安息香酸を減肉壁として用いた加速試験により行い、実際の減肉分布を得て、その大小と速度変動周波数特性の相関を検討していく。
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Causes of Carryover |
ほぼ予定通りの使用であるが、若干剰余が生じた。旅費の使用の際に効率的な運用を心掛けたことが功を奏したと考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
若干のプラスなのでほぼ予定通りの使用になる。
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