2017 Fiscal Year Research-status Report
単純な脊椎動物の腸神経系機能の可視化と光遺伝学による腸運動の制御
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16K06998
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
八田 公平 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 教授 (40183909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二階堂 昌孝 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 助教 (70344950)
中川 将司 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 助教 (00212085)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コリンアセチルトランスフェラーゼ / 腸神経系 / ゼブラフィッシュ / GFP / 神経分化 / 光遺伝学 / カルシウムイメージング / X線イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
1。脊椎動物の腸神経系の発生を可視化するために、コリンアセチルトランスフェラーゼa(chata)遺伝子の1.5kb上流領域と緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を導入したトランスジェニックゼブラフィッシュTg(chata:GGFF2)の解析を行った。受精後60時間から、腸においてGFP陽性細胞が発現が開始し、受精後6~12日幼生の腸では、GFP陽性細胞の92%がHuC/Dを発現する神経細胞であることがわかった。受精後1月半の若い成魚では、66%のGFP陽性細胞がChAT抗体陽性であった。ChAT抗体が染まらない幼生の腸でも、すでに、GFPを発現している細胞が観察できることになる。私達は、タイムラプス生体イメージングを行い、腸神経分化の時空間分布を観察した。GFP陽性細胞は、受精後60時間(gfp遺伝子は53時間)では、腸の左右に一対の1列に並んだ状態で観察された。多くのGFP陽性細胞は動かず,新しいGFP陽性細胞は、古いGFP陽性細胞群の間を埋めるように付け加わることがわかった。GFPの発現は、72時間までに腸の後端まで到達したが、その後、腸の背側、腹側にもGFP陽性細胞が現れ、4日目までには、腸全体に広がった。一部のGFPを発現し始めたばかりの細胞は、古いGFP陽性細胞群の中を移動してから停止する様子が観察された。これらの細胞は、その挙動から、最終的な神経分化の場所を探している神経細胞前駆体の可能性がある。これらの結果は、Tg(chata:GGFF2)が腸神経系の分化を調べるために有用な系統であることを示している。
2。カルシウムイメージングと光遺伝学的手法により、さまざまな腸の運動と関連して活動する神経細胞やその他の細胞の同定に成功した。
3。複数種の魚類の咽頭部分(咽頭顎)の動きや、餌の動きについて、X線イメージング解析を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1。腸神経系における神経分化を可視化できる新しいトランスジェニックゼブラフィッシュを解析し、腸神経細胞分化の初期過程、特に細胞移動との関連を詳細に調べることに成功した。
2。カルシウムイメージングと光遺伝学的手法により、さまざまな、腸の運動と関連して活動する神経細胞やその他の細胞の詳しい同定に成功した。これにより、腸神経系回路の一部やペースメーカー細胞の活動がどのように制御されているかがわかりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
1。腸神経系における神経分化に関する第2報を作成している。
2。腸神経系とペースメーカー細胞の活動および光遺伝学的制御についても、論文を作成する。
3。腸神経系だけでなく、その他の腸細胞の活動についても、その全体像がつかめるように、さらに解析を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
当初、最終年度は1、2年目より少額の予算で、研究を継続する予定であったが、必要経費が増えると見込まれたため、前年度やや節約して繰り越すこととした。繰り越し分については、物品費の他、特に論文投稿費や学会出張旅費などに使用する。
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[Presentation] Synchrotron mCT and live-imaging analysis of pharyngeal jaws of ancient fish, arowana, gar, polypterus and lungfish, in feeding.2017
Author(s)
Taiki Komori, Saki Shiomoto, Shota Nomura, Kenta Kuwabara, Tomohiro Inoue, Takanori Ikenaga, Kentaro Uesugi, Masato Hoshino, Masataka Nikaido, Mai Kuwata, Maria Ohno, Mio Aoki, Takuya Kojima, Daiji Takamido, Sayaka Nishida, Miei Honda, and ◯Kohei Hatta
Organizer
The Joint Symposium between The 2nd Brain Research Institute Monash Sunway-University of Toyama International Symposium 富山 (口演)
Int'l Joint Research
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