2019 Fiscal Year Annual Research Report
Cell type analysis of clonally related cortical neurons using initial axonal projection pattern
Project/Area Number |
16K07011
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
畠中 由美子 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (40271548)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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Keywords | 大脳皮質形成 / 発生・形態形成 / 細胞系譜 / 神経細胞分化 / ニューロンサブタイプ |
Outline of Annual Research Achievements |
多様性に富む大脳皮質興奮性ニューロンはいずれも皮質脳室帯の神経幹細胞に由来する。ニューロン分化には、幹細胞から直接分化する経路と、中間神経前駆細胞を経て分化する経路が知られている。しかし、この2つの経路がどの様に皮質の形態形成や、ニューロンタイプの決定に寄与しているのかは不明である。昨年までに、中間神経前駆細胞を経て間接的に分化するニューロンを直接分化ニューロンと区別するため、Ngn2-CreERT2マウスとAi14レポーターマウスを交配し、得られた妊娠マウスに、時期特異的にタモキシフェンと核酸類似体EdUを取り込ませ、これらニューロンを標識する条件を決定した。本年度は、この分化様式が皮質層形成にどのように寄与するかを調べるため、皮質ニューロンの分化初期あるいは後期にこの条件下で標識を行い、深層と浅層における間接的分化ニューロンの割合を比較した。その結果、いずれの層にも、中間神経前駆細胞由来のニューロンは存在したが、深層ではその割合が高いのに対し、浅層ではその割合が半分程度と低くなった。昨年までの研究で、1つの中間神経前駆細胞は主に性質の類似した2つのニューロンを生じることを明らかにしている。本結果と総合すると、間接的分化様式は深層における類似タイプのニューロン数の増加に大きく寄与していることが考えられた。これまで中間神経前駆細胞の役割は主として、進化に関連し、浅層ニューロン数を増加させることであると一般に考えられている。その一方で、Tbr2発現を利用して中間神経前駆細胞を同定すると、深層と浅層間でその割合に大きな差がないという結果が報告されている。今回の結果はこれらのいずれにも合致せず、中間神経前駆細胞の役割に再考を促すものであると考えられた。
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Research Products
(3 results)