2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K07023
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
吉田 成孝 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20230740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板東 良雄 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (20344575)
野村 太一 旭川医科大学, 医学部, 助教 (70756551)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脱髄 / オリゴデンドロサイト / 多発性硬化症 / 髄鞘 |
Outline of Annual Research Achievements |
多発硬化症などの脱髄疾患はいったん形成された髄鞘が破壊され、神経機能に様々な欠損を起こす疾患である。患者数も多く、社会的にも大きな問題を抱える。しかし、脱髄のメカニズムはまだ不明な点が多い。オリゴデンドロサイトは髄鞘を形成する細胞であるが、我々は、脱髄過程の最初期からオリゴデンドロサイトの変化が生じ、少なくともこの時期においては脱髄に中心的なはたらきをしている可能性を追求するために次の実験を行った。 多発性硬化症の動物モデルを作成するために髄鞘成分の一部であるMOGの部分配列ペプチドをマウスに皮下注射することにより、実験的アレルギー性脳炎(EAE)を生じさせた。通常は免疫注射後20日後に症状のピークを迎える。免疫注射後1,3,7日後という初期のMAGとCasprの発現量と発現部位を検討した。解析には免疫組織化学を用いた半定量的な検討を行った。その結果、MAGおよびCasprは脊髄内で発現が見られたが、その発現量や発現部位には変化が見られなかった。Integrin-beta 1の発現も検討しているが、現在結果を取りまとめ中である。 ミエリンの微細構造を観察するために 透過型および走査型電子顕微鏡によりミエリンの微細構造の観察を行った。これにより、免疫注射後3日と7日には以上ミエリンの構造が観察された。グリア細胞のマーカー(オリゴデンドロサイト:CNPase、アストロサイト:GFAP、ミクログリア:Iba1)を用いた免疫電顕法で、ミエリン成分の貯蔵や貪食を行っている細胞を同定する実験は現在実施中である。。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に計画していた研究には着手し、多くの結果が得られている。一部、検討中のものもあるが、近日中に結果が得られる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は計画通りに、脱髄初期変化へのKLK6とKLK8の関与を検討していく。また、軸索のミトコンドリア変化も検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
一部実施中の研究があるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
抗体などの消耗品の購入に充てる。
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